Samsungが提供するUIカスタマイズツール「Good Lock」が、最新のOne UI 7対応で大幅に刷新された。従来の複雑な構造を一新し、すべてのモジュールを一括管理できる直感的なレイアウトへと進化。これにより、壁紙や通知、キーボードなどの個別設定が容易となり、初心者にも扱いやすくなった。
PixelのAI機能やOnePlusの耐久性とは異なり、SamsungはGood Lockという圧倒的な“使いこなす楽しさ”で勝負する姿勢を鮮明にした。新搭載の「Display Assistant」や名称の明確化など進化は見られるが、検索機能の未搭載やアクセシビリティ対応の遅れなど、未だ改善の余地も残されている。
それでも、他社にはない柔軟なカスタマイズ性能と、今後のPlayストア展開による普及の可能性から、Good LockはSamsungスマートフォンの真の価値を象徴する機能として注目を集めている。
One UI 7がもたらしたGood Lockの構造改革と利便性向上

Samsungが展開するGood Lockは、One UI 7への対応により構造そのものが抜本的に見直された。従来はモジュールごとにアプリのような扱いが必要で、操作性に難があったが、最新版ではすべてのモジュールが一括で確認・管理できるリスト形式のUIに統合されている。これにより、ユーザーは設定の全体像を把握しやすくなり、目的の機能へスムーズにたどり着けるようになった。
また、モジュール名も「QuickStar」や「MultiStar」といった曖昧な名称から、「Camera Assistant」「Routines+」など機能を端的に示すものへと刷新されている。新たに追加された「UIチップ」は壁紙や通知、キーボードといったカテゴリを視覚的に分類することで、Good Lockが持つ多機能性を埋もれさせることなく提示する役割を果たしている。
事実として、Good LockはPlayストアでの展開も始まり、Samsung App Storeとの混同による利用障壁が緩和されつつある。こうしたUIと導線の改善が進めば、これまで一部の上級者向けと捉えられていたGood Lockが、より幅広い層に開かれたカスタマイズ基盤となる可能性は十分にある。
Samsungがデフォルトで本ツールをプリインストールしない理由は明示されていないが、34MBという軽量さを踏まえれば、将来的な方針転換が求められる局面に入ってきたと言える。
Good Lockが生み出す「所有体験」の質的転換と競合との差異
PixelがAI、OnePlusがハードウェア性能で差別化を図る中、SamsungはGood Lockによってスマートフォンにおける“所有体験”そのものの質を変えようとしている。通知エリアの配列からマルチタスク画面の構成、さらにはアプリごとのリフレッシュレート調整まで、Good Lockはハードの制約を超えてユーザーが自らの使い方に沿って端末を最適化する余地を提供する。
特に「Home Up」や「QuickStar」といったモジュールは、日常的に目にする操作UIの構造を自由に変えられる点で、他社のカスタマイズ機能を圧倒している。さらに、「NotiStar」「Nice Catch」「Camera Assistant」などは通知履歴の深掘りやカメラ挙動の精緻な制御を可能にし、単なるデザイン変更の域を超えて実用性にまで踏み込んでいる。
その一方で、モジュール名の一部には未だ専門的な印象が残り、検索機能の未搭載やアクセシビリティ面での不足など、初見ユーザーに対する配慮は完全ではない。競合他社が限定的に導入しているPWM調光の有無や、UIラベル表示などとの比較でも、Samsungの取り組みは一部機能で後れを取っている印象が否めない。
とはいえ、既存端末に対してアップデートだけで新たな操作性を付加できる柔軟性は、ハードの買い替えに頼らずとも“新しさ”を享受したいというニーズに対する確かな答えとなる。これは、単なるカスタマイズではなく、スマートフォンを「自分専用の道具」へと昇華させる体験そのものである。
Samsungがこの体験価値をさらに磨いていけば、Good Lockは製品選定における決定的な要因となり得るだろう。
Source:Android Central