Samsungが開発中の次期フラッグシップ「Galaxy S26 Ultra」は、前モデルと同じHP2センサーを搭載し続けるとの噂が浮上している。より高性能なHP9センサーへの刷新は見送られ、代わりに新しいレンズやピクセルの改良によって画質の向上が図られる可能性がある。
プロトタイプでは可変絞り機構の採用が検討されており、光の取り込み量をシーンに応じて最適化できる設計がテスト中とされる。さらに、カメラ数の削減によってバッテリー容量を確保する動きも見られ、設計全体のバランス調整が進められているようだ。
SoCに関してはExynosではなく、Snapdragon 8 Elite Gen 2が引き続き中心となる見込みで、複数のストレージ構成とともにプロトタイプ段階にあると報じられている。
HP2センサー継続採用の理由と可能性が示すSamsungの方向性

Galaxy S26 Ultraのプロトタイプでは、過去3世代と同様にHP2センサーが採用される見通しである。Samsungがより高性能なHP9センサーではなく、既存のHP2を引き続き使用するという判断は、ハードウェアの刷新ではなくソフトウェアや構成面でのチューニングに軸を置いた最適化路線を選んでいることを示唆している。これにより、開発リスクを抑えつつ、安定した性能向上を図る狙いがあると考えられる。
実際、Galaxy S26 Ultraではレンズの設計変更やピクセルの配置の見直しによって、HP2センサーの潜在能力をさらに引き出そうとしている。特に、バリアブルアパーチャーの採用が報じられている点は注目に値する。これにより光の取り込み量を環境に応じて最適化できるようになり、暗所や逆光といったシビアな撮影条件下でも柔軟に対応可能となる。
これらの取り組みは、見た目上のスペック強化よりも、実用面での品質向上に重きを置く方向性と一致している。ただし、可変絞りや新しいピクセル構成の効果がどこまで画質に影響するかは、製品化後の実地評価を待たなければ判断できない。過去のHP2搭載機種で得られた膨大なチューニングデータを活用しつつ、あえて「熟成」させることで完成度を高めようとしているようにも映る。
カメラ構成の変化とバッテリー容量確保の意図
リーク情報によれば、Galaxy S26 Ultraでは従来の4眼カメラ構成を改め、3眼体制に移行する可能性があるとされている。この変更は、一見すると機能削減のように映るが、取り除かれるカメラモジュールの役割や、代替手段の有無によっては、むしろ全体の完成度が高まる可能性もある。加えて、カメラユニットの削減によって内部スペースが確保され、バッテリー容量の増加につながる点も無視できない。
現代のスマートフォンでは、バッテリー性能がユーザー体験を大きく左右する要素となっており、性能向上と持続時間の両立は長年の課題となっている。特に高性能なカメラや高リフレッシュレートのディスプレイ、AI処理を多用するソフトウェア機能など、消費電力の多い要素が増える中で、バッテリーの物理的な容量を確保する工夫はますます重要になっている。
あえてセンサー数を減らし、1つ1つのレンズとセンサーの完成度や適応力を高める方向にシフトすることで、実用性と持続性のバランスを整える意図があるとも考えられる。単なる数のアピールから、より意味のある構成へと変化する流れは、スペック競争の次のフェーズを象徴しているようにも見える。
Snapdragon 8 Elite Gen 2の搭載とExynos非採用の背景
Galaxy S26 Ultraのプロトタイプには、Samsung製Exynosチップの搭載が見送られ、QualcommのSnapdragon 8 Elite Gen 2が採用されているという情報が報じられている。これまでのモデルでは一部市場向けにExynos版が投入されていた経緯があるが、今回その構成が確認されていない点は注目に値する。Snapdragonの優れた処理性能と安定性を評価する声が多い中で、特定市場における批判を避ける狙いも含まれている可能性がある。
さらに、Snapdragon 8 Elite Gen 2と複数のストレージ構成が組み合わされたプロトタイプがテスト中とされており、性能の最適化とコストバランスの両立が重視されていると考えられる。AI処理やゲーム性能、電力効率の面でSnapdragonの優位性は確立されつつあり、Samsungとしても安定供給とパフォーマンス確保の観点から、この選択に至った可能性がある。
ただし、Exynosが完全に排除されたわけではなく、今後の展開次第では異なる市場向けに別構成が登場する可能性も否定できない。とはいえ、現段階での主軸がSnapdragonであるという点は、Samsungが製品の完成度を優先して構成を見直していることの表れとも取れる。構成のシンプル化がユーザー体験の一貫性向上につながるかどうかも、注目すべきポイントである。
Source:Wccftech