Vivoは4月21日に開催予定の中国市場向け発表イベントで、フラッグシップタブレット「Pad5 Pro」を公開する見通しである。13インチの大型ディスプレイを備えながらも重量は578gと、先代機よりも約15%軽量化されている。

本製品には、MediaTekの最新チップセット「Dimensity 9400」が搭載されるとされ、同クラスのSamsung Galaxy Tab S10 Ultraをおよそ25%上回る性能が期待されている。ただし、現段階では中国国外での展開予定は明かされていない。

X200 UltraやWatch 5など複数の新製品と同時に発表される中、Pad5 ProはVivoのタブレット戦略を象徴する中核モデルとなる可能性がある。

Dimensity 9400搭載で示されたVivoの高性能志向と差別化戦略

Pad5 Proに搭載されるMediaTek Dimensity 9400は、同社がフラッグシップ級デバイスに投入する最新鋭のチップセットであり、その採用はVivoが性能面での競争に本格参入したことを示す象徴的な動きといえる。NotebookCheckによれば、Pad5 ProはSamsungのGalaxy Tab S10 UltraやS10 Plusに対し、およそ25%上回る性能を示す可能性があるとされている。

Vivoがこの数字を前面に押し出す背景には、従来SamsungやAppleが支配してきたタブレット市場での差別化を鮮明にする意図が読み取れる。また、Dimensity 9400はMediaTekの中でも最新世代に属する製品であり、AI処理能力や電力効率の面で顕著な進化が図られていると見られている。

従来、Qualcomm製SoCを中心に構成されてきた高性能タブレット市場において、MediaTek製チップが注目を集める状況は、新たな競争軸を形成する契機となり得る。Vivoの選択は、単なるコスト面での妥協ではなく、機能性と市場差別化の両立を狙った戦略的判断と捉えるべきである。

大画面と軽量化を両立した578gの筐体設計が与える影響

Pad5 Proは13インチという大型ディスプレイを搭載しながら、重量は578gに抑えられており、これは前世代モデルのPad3 Proの678gから約15%の軽量化を実現した数値である。特筆すべきは、画面サイズの拡大と軽量化が同時に達成されている点であり、この設計は可搬性と視認性の両立を求めるユーザー層に強く訴求する要素となる。

こうした軽量化は、タブレットの使用シーンがエンタメや学習だけでなく、ビジネスや外出先での資料閲覧など多用途化している現状に対応した設計思想の表れとも受け取れる。特にモバイル環境下での利用が増加する中、重量の数十グラムの差がユーザー体験に直結するため、578gという仕様は明確な競争優位性となり得る。

ただし、筐体の剛性やバッテリー容量とのトレードオフがどう調整されているかは、今後の詳細発表を待つ必要がある。

Source:NotebookCheck