サムスンが2020年発売のGalaxy S20シリーズをセキュリティアップデートの対象リストから削除し、同シリーズへのソフトウェアサポートを正式に終了した。販売不振により主要市場では発売からわずか1年で販売終了となった経緯を持ち、S20およびS20+は上位モデルのS20 Ultraよりも販売台数が少なかった。一方、S20シリーズの派生機種であるGalaxy S20 FEは引き続きアップデート対象に含まれており、一定のサポートが継続される見通しである。
Galaxy S20シリーズ、最終アップデートは2025年3月 ついに終焉へ

Galaxy S20、S20+、S20 Ultraは2020年に登場したサムスンのフラッグシップモデルであるが、最新の2025年3月のセキュリティパッチを最後に、同シリーズへのソフトウェア提供が打ち切られた。これはサムスン公式のアップデート対象リストから静かに削除されたことで明らかとなり、セキュリティアップデートの提供も今後行われない。なお、S20シリーズの中で唯一例外となるのがGalaxy S20 FEであり、このモデルのみはまだ対象リストに含まれている。
S20シリーズは発売当初から販売台数が振るわず、初年度の四半期でわずか820万台の出荷にとどまっている。これは前年のGalaxy S10シリーズと比較して約33%減という数字であり、販売不振を裏付けるものだ。さらに、発売からわずか1年で米国や英国といった主要市場での販売が終了しており、サムスンのフラッグシップとしては異例の早さでの退場となった。販売実績や提供期間の短さは、S20シリーズが当初の期待を超えられなかったことを物語っている。
ソフトウェア更新の終了が意味するリスクと買い替えの判断軸
2025年3月のセキュリティパッチをもって更新が打ち切られたGalaxy S20シリーズだが、サポートの終了は見た目以上に大きな影響を及ぼす可能性がある。OSの大型アップデートと並び、セキュリティパッチの提供は日常の利用における安全性を確保する上で不可欠な要素である。特に、アプリの挙動や通信内容に関わる脆弱性は新たな攻撃の対象となりやすく、更新が途絶えた端末では情報流出や不正アクセスのリスクが増すとされる。
そのため、依然としてS20シリーズを利用しているユーザーにとって、今後の使い方には慎重な判断が求められる。特に、金融系アプリやビジネス用途での活用が多いケースでは、サポート終了がもたらす不安要素は無視できない。サムスンが最新モデルのGalaxy S25シリーズにおいて7年間のアップデート提供を公言している点を踏まえると、長期間の使用を前提に端末を選ぶことが重要になる。買い替えのタイミングとしては、まさに今がその分岐点と言えるかもしれない。
Galaxy S20 FEだけが対象継続 なぜ生き残ったのか
Galaxy S20シリーズ全体がソフトウェアサポートから外された一方で、S20 FE(ファンエディション)のみは例外的にアップデート対象にとどまっている。現時点でも四半期ごとのセキュリティパッチが提供されており、公式リストからも削除されていない。この差は、モデルごとの発売時期や販売実績、設計思想の違いによる可能性がある。S20 FEはS20シリーズの派生機として2020年後半に投入されたが、価格と性能のバランスが評価され、実際の販売成績も本家S20シリーズを上回ったとの見方もある。
このような背景が、サムスンによるサポート継続の判断に影響した可能性は否定できない。また、FEシリーズはより広い層への訴求を目的としており、比較的長期間の使用を前提にしているため、サポート期間も延長されやすいと考えられる。今後、S20 FEユーザーにとっては、少なくとも数回のアップデートが提供される可能性が残されているが、それでも将来的な終了は避けられない。現役利用を継続する場合は、最新のセキュリティ情報を常に把握しておく必要がある。
Source:PhoneArena