Microsoftは、Windows 11バージョン24H2向けに4月の累積更新プログラムを配信し、長らく放置されていたファイルエクスプローラーの表示不具合を含む複数の問題に対処した。

具体的には、三点メニューが画面上部に飛び出しオプションが選択できなくなるバグや、スリープ復帰直後にブルースクリーンとなる現象、2-in-1デバイスにおける画面回転の不具合などが修正対象となっている。
これらの修正は段階的に展開される見込みで、2025年中頃にかけてさらなる安定化が図られる可能性がある。

ファイルエクスプローラーの表示異常に終止符 2024年11月から続いた不具合の修正

2024年11月以降、Windows 11ユーザーを悩ませていたファイルエクスプローラーの三点メニュー表示不具合に対し、Microsoftはついに修正を提供した。

このバグは、オプション表示用の三点リーダーをクリックすると、メニューが通常の下方向ではなく上方向に展開され、画面上端を突き抜けて表示されるという奇妙な挙動を見せていた。特に画面上部にウィンドウを配置して作業するユーザーにとっては、重要な操作オプションにアクセスできず、業務効率にも影響を与えていた。

この問題は、ウィンドウ位置を調整すれば一応の回避策にはなったが、それ自体が本来不要な操作であり、根本的な解決が求められていた。

Microsoftは本件について、2025年3月末にプレビューアップデートで一部ユーザー向けに修正を試験的に展開し、4月に入って正式な累積更新として提供を開始した。TechRadarおよびWindows Latestの報道によれば、この修正は順次ロールアウトされる方式であり、全ユーザーが即時に恩恵を受けられるとは限らない。

メニューの描画方向という些細に見えるUI上の不具合であっても、それが日常の操作性に与える影響は小さくなかった。この修正は、操作感の信頼性を重視するWindows 11の方向性を再確認する意味でも重要な一歩といえる。

スリープ復帰後のクラッシュや画面回転異常も対象 更新の範囲は多岐に及ぶ

今回の4月累積更新には、ファイルエクスプローラーの修正に加えて、複数のシステム挙動に関わる深刻な不具合が含まれていた。

特に注目すべきは、スリープ復帰直後にブルースクリーン、将来的にはブラックスクリーンになる可能性が指摘されるクラッシュ現象への対応である。この問題は、一部のWindows 11 24H2搭載デバイスに限定されていたものの、復帰後すぐに操作不能となるケースもあり、安定性に大きく関わる要素であった。

また、2-in-1タイプのノートPCでスリープから復帰した際に、画面の向きが意図せず縦方向へ変化してしまうバグも修正対象となっている。この現象は、端末に内蔵された画面回転センサーに関係するドライバの挙動に起因していると考えられ、特にモバイル環境での利用時に混乱を招いていた。これにより、復帰後に画面を正しく戻すための余分な操作が必要となり、作業中断や誤操作の原因となっていた。

いずれの不具合も、ユーザー体験の質を左右するものであり、放置すれば信頼性への影響は避けられなかった。Microsoftがようやく対応に動いた背景には、2025年中頃を見据えた安定運用への布石と、ユーザーからのフィードバックの蓄積があったと考えられる。段階的配信であることから、更新を受け取るまでに時間差が生じる可能性がある点は留意すべきである。

Source:TechRadar