Nvidiaが公式に発表していない次世代モバイルGPU「GeForce RTX 5060」と「RTX 5050」の存在が、Lenovo、LG、Razerの各社による製品仕様の誤掲載を通じて明らかになった。Blade 16やIdeaPad Pro 5、Gram Proといった各社の最新ノートパソコンに名称が登場し、仕様からはRTX 5050のTDPが65W程度であるとの推測も可能だ。
これらの情報はいずれも削除済みであるが、複数のブランド公式サイトに同時期に現れたことから、製品化が間近に迫っている可能性が高いと考えられる。特に2025年5月開催のComputexにて正式発表されるとの観測が強まっており、従来のVRAM容量を上回る構成が噂される中、RTX 5000シリーズの中核を担う製品群として注目が集まっている。
3社による仕様リークで明らかになったRTX 5060および5050の存在と性能概要

Nvidiaが公式に沈黙を続ける中、Razer、Lenovo、LGの3社が公開した製品情報により、GeForce RTX 5060および5050のノートPC向けGPUの存在が濃厚となった。
RazerはBlade 16のスペック欄でRTX 5060を、LenovoはIdeaPad Pro 5においてRTX 5050を、そしてLGはGram Proの構成に同カードをそれぞれ明記していた。各社のウェブサイトからはすでに情報が削除されているが、製品ページにおける明確な記述であったことから、単なる仮名称や開発中の表示ではないと見られる。
特にLenovoのIdeaPad Pro 5に関しては、TDPが最大135Wであり、うち70WをCPUが占めるという仕様から、RTX 5050に割り当てられる熱設計電力は65W前後と推測される。
この値は過去の同クラスGPUと比較しても控えめであり、消費電力と性能バランスを重視したミッドレンジモデルである可能性が高い。加えて、LGのGram Proでは8GB VRAM搭載モデルとして記載されており、GPUメモリ構成の一端も判明している。
3社が同時期に同様の名称と仕様を用いたことは偶然とは言い難く、既にOEM向け出荷段階にあると考える方が自然である。ただし、Nvidia本体からは現時点で一切の正式アナウンスがないため、今後の動向に対する警戒と注視が求められる。
RTX 5000シリーズ拡充の一環か Computex 2025に向けた布石との見方
RTX 5060および5050のリーク情報が集中したタイミングは、来たる2025年5月のComputex開催を見据えた動きと連動している可能性がある。過去にもNvidiaはComputexにて重要な新製品を発表してきた経緯があり、昨年はAMDがZen 5を披露した場でもある。
今回のリークがOEM企業から発生したことは、製品出荷体制の構築が一定程度進んでいる証左とも言える。特に中価格帯GPUの市場は競争が激化しており、各社が早期に製品情報を盛り込む背景には商戦期への備えがあると考えられる。
また、PCGamesNによる分析では、RTX 5060 Tiモデルの存在や、16GBのVRAMを搭載する可能性があるとされており、これが事実であれば、上位モデルであるRTX 5070の12GB構成を上回る点で興味深い。これは、ゲームにおける高負荷テクスチャ処理やAI支援機能の対応など、次世代アプリケーションの要件に応じた設計とも解釈できる。
しかし、VRAM容量の多寡が必ずしも全体性能に直結しないことは過去のベンチマークが示しており、製品ポジションの見極めには慎重さが必要である。
RTX 5050についても8GBという構成から見て、エントリークラスながら一定の性能を保持することが期待されるが、最終的な価格帯およびTDP、クロック周波数などの要素によってその評価は大きく変動しうる。Computexでの発表が実現すれば、Nvidiaの戦略的なミドルレンジ展開が明確になる見通しである。
Source:PCGamesN