Nvidiaの未発表モバイルGPU「RTX 5050」および「RTX 5060」に関する情報が、LenovoやLG、Razerの製品資料やプレスリリースを通じて相次いで明らかとなった。これにより、当該モデルを搭載するノートPCの発表が数週間以内に行われる可能性が高まっている。特にLGは、RTX 5050を搭載したGram Pro 16を第2四半期に予約開始と明記しており、5050のVRAM容量は8GBであることも確認された。
デスクトップ版と異なり、5050モバイル版ではVRAMに高速なGDDR7ではなくGDDR6を採用するとの見方も出ており、パフォーマンス面での制限も懸念されている。また、Blackwell世代GPUを搭載する先行ノートPCの供給難を受け、新製品でも安定供給が課題となる可能性がある。価格と性能のバランスに注目が集まる中、手頃な価格帯のゲーミングノート市場における競争が激化する兆候が見え始めている。
Lenovo・LG・Razerが先行公開 RTX 5050と5060搭載ノートの具体像が浮上

Lenovo、LG、Razerの3社が相次いで公表した製品情報により、Nvidiaの未発表モバイルGPU「RTX 5050」および「RTX 5060」の実装状況が具体化してきた。
YouTube動画内でLenovoは、16インチのIdeaPad Pro 5にRTX 5050を搭載予定であることを紹介し、説明文にも記載されたことで外部向けにもその存在が確認された。LGは台湾のプレスセンターを通じて、2025年モデルのGram Pro 16に同GPUを搭載し、第2四半期中に予約を開始すると公式に発表。加えて、8GBのビデオRAMを備えるとの脚注も付されていた。
一方で、Razerは中国向けの公式ウェブサイトにおいて、2025年型Razer Blade 16のGPUオプションとしてRTX 5060モバイル版を記載した。
いずれも誤掲載である可能性は否定できないが、3社に共通してRTX 50シリーズのモバイルGPUに言及していることから、Nvidiaの正式発表が目前に迫っているとの観測が強まっている。各社の製品資料に登場することで、これらのGPUを搭載したノートPCが早期に市場へ投入される現実味が増している状況といえる。
GDDR6採用の可能性がもたらす性能面での差異とその影響
RTX 5050モバイルGPUについては、同シリーズに搭載されるビデオメモリが高速なGDDR7ではなく、従来型のGDDR6になるとの情報が報じられている。これにより、同世代の上位モデルとの差がVRAM速度という形で現れる可能性がある。
GDDR6は依然として主流のメモリ規格ではあるものの、Blackwell世代においてGDDR7の導入が進んでいる点を踏まえると、RTX 5050の位置付けは明確にエントリークラスに向けられていると考えられる。
パフォーマンス面での懸念は、ゲーミングノートPCを求める層にとって選定の重要な判断材料となる。仮にGDDR6の採用が事実であれば、消費電力や価格とのトレードオフの中での選択と受け取るべきであり、グラフィックス処理を要求されるタイトルにおいてはスペック上の限界が早期に露見する可能性も否定できない。
とはいえ、エントリーモデルであることを前提とすれば、手頃な価格帯であることが最優先される市場においては、一定の需要を満たす構成として評価される余地はあるだろう。
発売直後から在庫難の前例 5050搭載ノートも流通面に課題か
Blackwell世代のGPUを搭載したノートPCが3月末に「正式発売」されたにもかかわらず、各モデルが即座に在庫切れとなった事例が複数確認されている。
今回登場が予測されるRTX 5050および5060を搭載した新型ノートPCでも、同様の供給制約が発生する懸念が払拭できない。LGによると、Gram Pro 16の予約開始は第2四半期を予定しており、一般流通時期は2025年6月までと見込まれるが、それまでに安定供給体制が整う保証はない。
このような供給不安が続けば、価格の高騰や入手競争の激化を引き起こす可能性もある。特にエントリークラスGPUを搭載するモデルは、学生や若年層を中心に需要が集中しやすいため、数量の確保が十分でなければ市場の信頼性に影響を及ぼしかねない。
現時点では詳細な販売計画や供給見通しに関する公式情報は明らかになっておらず、メーカーおよびNvidiaがどのような調整を行うかが、今後の市場動向を左右する重要な要素となりうる。
Source:TechRadar