モトローラが発表した新型「Moto G Stylus」(2025年モデル)は、400ドルの価格帯ながら68WのTurboPower急速充電に対応し、約15分での満充電を可能にするとして注目されている。Snapdragon 6 Gen 3や8GB RAMを搭載し、最大40時間駆動の5,000mAhバッテリー、スタイラスペン、6.7インチのSuper HD POLEDディスプレイなど、多機能な仕様が揃う。

カメラは5,000万画素のトリプル構成で、広角・超広角に加え、3-in-1光センサーを搭載。3,200万画素のセルフィーカメラも含め、撮影面でも抜かりはない。IP68の防水や軍用レベルの耐久性も兼ね備え、4月17日より発売予定。他のエントリーモデルとの競争にも関心が集まる。

15分で満充電を実現する68W TurboPowerの実力と制約

新型「Moto G Stylus」に搭載された68WのTurboPower急速充電は、約15分でフル充電が可能とされ、これまで上位モデルやハイエンド端末の特権だった充電速度が、400ドルという価格帯でも手に入る点が目を引く。5,000mAhという大容量バッテリーとこの高速充電の組み合わせにより、短時間で1日分のバッテリーを確保できる設計は、外出先や多忙な日常において実用性が高い。

一方で、TurboPowerによる最大速度での充電を引き出すには、モトローラ純正のアクセサリーとケーブルを使用する必要があるため、汎用性に制限がある。加えて、15Wのワイヤレス充電にも対応するが、こちらは速度面で有線に大きく劣る。高速充電を日常的に活かすには、適切な周辺機器と環境が必須になる。

この点を踏まえると、充電速度だけに注目するのではなく、ユーザーの充電スタイルや周辺機器との相性も含めて性能を見極めることが重要になる。高速化の恩恵を最大限に享受するには、対応アクセサリーの導入が鍵を握る。

スタイラスとAI機能の融合がもたらす操作性の変化

Moto G Stylusには、端末本体に収納可能なスタイラスペンが内蔵されており、ただのペン入力にとどまらず、多彩な機能を引き出せる点が特徴的である。「Sketch to Image」や「Circle to Search」といったAndroidの新機能にも対応し、スタイラスが操作ツールとしての役割を拡張している。ポインターのように動作する設計は、細かい操作や直感的な検索に有用で、従来のタッチ操作とは異なるユーザー体験を提供している。

また、AIを活用した画像生成機能「Sketch to Image」は、手書きのラフなイラストをもとに画像を生成できる技術で、創作用途やビジュアルメモなど、多様なシーンでの応用が期待される。ただし、スタイラスペンの操作精度やソフトウェアの完成度によって実用性が左右されるため、体験の質には個人差が出る可能性がある。

直感的なUIとペン操作が融合することで、これまでのエントリーモデルでは得られなかった操作感が実現している。ただし、スタイラス活用に慣れていない層にとっては、フルに活用するには少し慣れが必要かもしれない。

高輝度ディスプレイと高性能カメラで屋外でも映える設計

6.7インチのSuper HD POLEDディスプレイは、最大3,000ニトという明るさを誇り、日差しの強い屋外でも視認性を維持できる設計となっている。このクラスでは希少な明るさで、アウトドア環境でもストレスなく利用できるのは大きな利点だ。また、ステレオスピーカーの搭載によって、動画視聴やゲームでも没入感の高い体験が可能となる。

カメラ構成はメインの5,000万画素、120度の超広角1,300万画素、そして色彩のバランスを整える3-in-1光センサーを備えたトリプル構成。さらに、3,200万画素のフロントカメラは、自撮りやビデオ通話でも高精細な映像を提供する。価格を考えれば、十分すぎるほどのカメラ性能といえる。

こうした構成から、視覚体験に重きを置いた端末であることがうかがえる。映像コンテンツやSNS投稿を日常的に行う人にとっては、屋外でも映える明るさと多様な撮影機能が相性良く感じられるだろう。カメラとディスプレイのバランス設計が、低価格帯の常識を塗り替える可能性を秘めている。

Source:Gizmodo