2020年に登場したGalaxy S20、S20 Plus、S20 Ultraの3機種が、Samsungのセキュリティアップデート対象から外れ、ソフトウェアサポートが正式に終了した。最終更新は2025年3月で、今後は原則としてアップデートが提供されない。例外的措置として延長されていた四半期更新も終了となり、Samsungのサポート体制の変化が改めて浮き彫りとなった。
一方で、派生モデルのGalaxy S20 FEはなお四半期ごとのアップデート対象として残されており、今後2回の更新が見込まれている。ただし、これも時間の問題とされる。Samsungは最新モデルで最大7年のサポートを打ち出しているが、現行機種におけるアップグレード内容とのギャップや、AI機能の制限といった新たな課題も顕在化している。
Galaxy S20シリーズの更新履歴とサポート終了の経緯

Galaxy S20、S20 Plus、S20 Ultraは、2020年にAndroid 10を搭載して登場し、その後Android 13までのメジャーアップデートを3回受けた。これに加えて、Samsungは4年間のセキュリティアップデートを約束し、実際には当初の期限を過ぎた2024年にも四半期ごとの更新を継続していた。だが2025年3月のパッチを最後に、SamsungのセキュリティページからS20シリーズが削除され、サポート終了が明確となった。9to5Googleの報道を通じて明らかになった今回の変更により、今後は重大な脆弱性が発見された場合を除き、更新が配信される可能性はほぼ無い。
注目すべきは、同時期に発売されたGalaxy Note 20シリーズも同様の扱いを受けている点である。Samsungは最新機種に対して7年のソフトウェアサポートを公約しているが、過去モデルに対しては一貫性のない延長措置が見られる。Galaxy S20 FEが例外的にアップデート対象として残っているとはいえ、その終了も近いとされ、4~5年が実質的なサポート限界とみるのが妥当だろう。サポート終了を迎えるこれらの機種は、今後アプリやシステムの互換性問題に直面する可能性が高まる。
「7年サポート」の落とし穴と今後の期待値
SamsungがGalaxy S24シリーズ以降に導入した「7年間のアップデート保証」は、一見すると安心感のある施策に映る。ただ、その実態は、すべての新機能が等しく提供されるわけではなく、特にハードウェア依存の強いAI機能では制限がある。SamsungのフレームワークR&D責任者であるSally氏も、One UI 7以降のAI処理においてSnapdragon 8 Eliteのような最新チップの性能を前提とする点を強調しており、旧世代モデルではPersonal Data Engineといった新技術に非対応となる可能性が示唆されている。
このことは、今後仮に7年間のアップデートが継続されたとしても、実際にはフル機能が保証されないという前提で受け止める必要があることを意味する。たとえば、UIの刷新やAI支援による新操作系統などは一部の機種でしか体験できず、名ばかりのアップデートに留まる恐れがある。長期サポートを重視する場合、ソフトウェア更新の有無だけでなく、どこまでの機能が含まれるかという点にも注目が求められる。今後は、単なる年数の延長だけではなく、実際の中身が問われるフェーズに入っていく。
Source:Android Central