NVIDIAは、RTX 5000シリーズ「Blackwell」世代GPUに対するVerified Priority Access(VPA)プログラムが継続中であることを正式に確認した。一部で制度終了の誤情報が流れたが、これはカスタマーサポート担当者の誤った発言によるもので、同社モデレーターが訂正し、情報源の投稿も削除された。

VPAは、スキャルパーによる買い占めを防ぎ、正規ユーザーにFounders EditionをMSRPで提供する米国限定の購入優先制度である。2025年1月30日以前に作成されたアカウント所有者のみが対象で、同年2月にBlackwell向けとして再開された。

Lovelace世代に続いて導入されたこの制度は、現時点でも継続しており、依然として供給が限定的なRTX 5000シリーズへの高い需要に対応する重要な手段と位置づけられている。

RTX 5000向けVerified Priority Accessの実態と適用条件

NVIDIAが再確認したVerified Priority Access(VPA)制度は、RTX 5000シリーズ「Blackwell」GPUにおける不正購入対策として機能している。2025年2月に再始動したこの制度では、2025年1月30日以前に作成されたNVIDIAアカウントを持つ米国居住者のみが対象となり、Founders Editionモデルをメーカー希望小売価格で購入する優先権が与えられる。これにより、価格高騰の原因となる新規アカウントの乱立を防ぐ設計となっている。

前回Lovelace世代でも実施された同制度は、事前登録による需要の平準化と、スキャルパーによる転売行為の抑制を目的としていた。今回も同様に、数量限定でプレミア化しやすいFounders Editionを、公平に行き渡らせる試みの一環であることが読み取れる。

Reddit上で制度終了が誤って伝えられた件では、NVIDIAのカスタマーサポート担当者による発言が発端であったが、同社のモデレーターが誤解を正し、問題の投稿は削除された。この一連の混乱は、制度の重要性と注目度の高さを示す象徴的な出来事と言える。

スキャルパー対策の限界とVPA制度の持つ構造的課題

Verified Priority Accessは一見すると強固な対スキャルパー策のように見えるが、制度設計には依然として抜け道が残されている。たとえば、2025年1月30日以前に作成された既存アカウントを利用した購入には制限が設けられておらず、既に大量のアカウントを保有していた業者が排除されるとは限らない。特にFounders Editionのような人気モデルに対しては、個人装いの組織的購入も完全には排除できない。

NVIDIAは制度存続を明言したものの、供給量の限界や制度の透明性不足が不満の温床となる可能性もある。MSRPでの販売という魅力的な条件が逆にVPAへの依存を強め、限定された対象者との間で新たな価格差や情報格差が生まれるリスクも孕んでいる。

また、現時点でもRTX 5000シリーズには性能面や安定性における課題が指摘されており、ハードウェアそのものへの信頼感とVPA制度の意義が乖離する懸念も拭えない。制度が継続される限り、その効果と限界を正しく見極める冷静な評価が求められる局面にある。

Source:TweakTown