Samsungが2025年後半に投入を予定するGalaxy S26 Ultraに、当初噂されていた画面下カメラ(UDC)の搭載が見送られる可能性が浮上した。韓国リーカーYeux1122の情報によれば、同社はUDC導入に向けたコスト調整と技術面での課題克服に苦戦しているという。
UDCはZ Foldシリーズで実績があるものの、従来のセルフィーカメラと比べ画質が劣る点が指摘され続けてきた。過去にはFold 3以降4機種で採用されたが、評価は芳しくなく、写真がぼやけるとの声も根強い。これらの背景から、S26 Ultraでの導入延期はむしろ歓迎される判断との見方もある。
一方、Samsungは今年後半のGalaxy Z Fold 7で改良版UDCを採用する可能性が高く、Sシリーズとは別路線での展開を図っているようだ。
Galaxy S26 Ultraの画面下カメラはなぜ見送られたのか

韓国のリーカーYeux1122によると、SamsungはGalaxy S26 Ultraへの画面下カメラ(UDC)搭載を検討していたものの、コスト調整や技術面の課題から見送りの判断に至ったとされる。具体的には、UDCに必要なパネル処理技術や、透過率と画質を両立させる新素材の導入に時間と資金がかかりすぎる点が障壁となったと見られる。さらに、セルフィー用途で高画質が求められるSシリーズにおいて、現在のUDCの性能では満足できるレベルに達していないとの判断も影響しているようだ。
過去のGalaxy Z Foldシリーズでは、内側のディスプレイ側にUDCを採用してきたが、画質の劣化が繰り返し指摘されてきた。Android Authorityの元ライターであるRyan Whitwamも、Z Fold 6でのUDC画質を「ぼやけて見える」と酷評しており、同技術の未成熟ぶりを裏付ける証言となっている。今回の決定は、単なるコスト削減ではなく、品質に対するSamsungの慎重な姿勢の表れとも受け取れる。
ただし、同社は今後もUDCの開発を完全に断念したわけではなく、2025年下半期に登場予定のGalaxy Z Fold 7では改良型UDCの搭載が見込まれている。シリーズごとの役割分担が明確になる中、今後の技術進化に合わせて再検討される可能性も残されている。
高性能スマホに求められるのは“見えないカメラ”より“写るカメラ”
Galaxy S26 UltraにUDCが搭載されないというリークは、一見すると革新の後退のように映る。しかし、見た目の先進性よりも、実際の使い勝手や性能を重視する声は多い。とくにセルフィーやビデオ通話の品質に直結する前面カメラの性能は、SNSやストリーミングを日常的に活用する層にとって死活的な要素だ。画面下にカメラを隠すことでベゼルレスな美しさは得られるものの、写真や動画がぼやけてしまっては本末転倒である。
Galaxy Z Foldシリーズで採用されているUDCは、折りたたみ画面の内側に限定され、カバーディスプレイ側には従来型の高画質カメラが併用されている。この事実は、Samsung自身もUDCの画質にはまだ限界があると認識している証拠と言える。実際、Z Foldシリーズでは通話や一部のアプリでしかUDCが使われておらず、写真撮影には向いていないのが現状だ。
このような状況を踏まえれば、S26 UltraがUDCを見送ったのは、性能とユーザー満足度を最優先に考えた選択と捉えることができる。新しい技術をただ搭載するだけでなく、それがどれだけ完成度を伴っているかが重要であり、その判断の目は今後もより厳しくなっていくだろう。
Source:Android Authority