Vivoが4月21日に発表予定のフラッグシップモデル「X200 Ultra」に、物理操作を可能にするカメラグリップ付きの撮影キットがオプションとして用意されることが明らかになった。金属製フレームとフェイクレザーのレトロな外観を持つこのアクセサリーは、シャッターボタンやビデオボタン、ズームや露出操作が想定されるスクロールホイールを搭載し、USB Type-Cでスマートフォンに接続する仕様。

さらに、2,300mAhのバッテリーやショルダーストラップ用ループも備え、単なるスマホアクセサリーを超えた本格仕様となっている。特に、操作性や携帯性を重視する撮影スタイルに応える設計は、コンパクトデジカメ的な一体感を重視する層に響く可能性がある。

XiaomiのUltraシリーズを強く意識したこの試みは、スマートフォンの写真体験を操作レベルから刷新する試金石ともなり得る。

本体スペックに匹敵する撮影キットの存在感

Vivo X200 Ultraに用意される撮影キットは、スマートフォンアクセサリーの領域を超える仕様が特徴だ。グリップ部分には金属とフェイクレザーを組み合わせたクラシックなデザインを採用し、操作性を追求する構成として物理シャッターボタン、専用のビデオボタン、ズームや露出に用いられるスクロールホイールを搭載している。これらの物理操作系はUSB Type-C端子を通じて本体と直結されることで、タッチ操作では得られない直感的な撮影体験を実現している。

また、2,300mAhのバッテリーをグリップ内に内蔵しており、長時間の動画撮影や連続使用時にも電力供給を補助できる構造となっている。さらにショルダーストラップ用のループが付属することで、携帯性と安定した撮影姿勢を確保できる点も注目に値する。このアクセサリーの存在は、スマートフォンが単なる高性能なカメラを搭載するだけでなく、撮影そのものの体験を本格的なものへと変える方向へ進化していることを物語っている。

XiaomiのUltraシリーズを意識した設計とその意味

今回のVivo X200 Ultraの撮影キットは、その仕様やデザインから見てXiaomiのUltraシリーズ、特にPro+モデルに付属する撮影アクセサリーからの強い影響を受けていると考えられる。特にグリップの形状、素材感、操作構成などはXiaomiがこれまで提案してきた撮影スタイルとの共通点が多く、意図的に対抗心を見せている印象を受ける。ただし、Vivoはカメラ単体のスペック競争ではなく、「操作の質」にまで踏み込むことで差別化を図ろうとしている点が興味深い。

このような物理的なカメラグリップの導入は、スマートフォンが日常的な記録ツールから、より専門的なコンテンツ制作のデバイスへと進化している現れとも言える。ソフトウェア処理やレンズ性能に加え、「どう撮るか」「どんな手応えか」という体験そのものを重視する流れが確実に強まっている。これは、映像や写真を“作品”として捉える層にとって、スマホがもはや代替手段ではなく選択肢のひとつとなる可能性を示している。

国際展開の不透明さと今後への期待

Vivo X200 Ultraおよび撮影キットが中国国外で発売されるかどうかについては、現時点で正式な発表がなされていない。前モデルであるVivo X90 Pro+が中国限定で展開されたことを踏まえると、今回のモデルも同様のパターンとなる可能性は高い。ただし、近年のVivoはグローバル市場へのアプローチを強化しており、ヨーロッパや東南アジア圏などでの展開実績も徐々に積み上がっている。

この動きを踏まえると、X200 Ultraまたはその派生モデルが年内に国際市場に登場する可能性は否定できない。特に、今回のような物理アクセサリーを伴うモデルは、オンライン配信やモバイル映像制作が活発な市場において一定の需要が見込まれる。ユーザーの操作体験にまで踏み込んだハードウェアが受け入れられるかは市場次第だが、スマートフォンの可能性を広げる試みとしては注目に値するだろう。

Source:PhoneArena