GoogleがAndroid 16の開発を加速させる中、OnePlus 13がPixel以外で初めてベータテスト対象となった。
OnePlusは公式コミュニティ投稿にてBeta 2の提供を発表し、対象は開発者や高度な知識を持つユーザーに限定すべきと警告。安定性に欠ける現状ではリスクも大きいが、次期OSをいち早く体験できる貴重な機会であることは間違いない。

Pixel以外で初の対応 OnePlus 13がAndroid 16 Beta 2に先行アクセス

Android 16のベータテストが、Pixel端末以外としては初めてOnePlus 13に解放された。OnePlusは2025年4月9日、公式コミュニティにてBeta 2の提供を告知し、この段階ではアプリ開発者や「早期導入に理解のあるユーザー」のみが対象と明示している。これにより、OnePlus 13はGoogleの新OSをPixelシリーズと並んでいち早く体験できる数少ないモデルとなった。

今回のBeta 2には、通話時のBluetoothヘッドセット使用による強制再起動、カメラのビューファインダー表示の乱れ、動画撮影時の表示不具合など、数多くの既知のバグが存在しており、日常使用には不向きとされている。さらに、インストール手順を誤れば、デバイスが起動不能な「文鎮化」状態になるリスクも警告されている。

それでも、このタイミングでOnePlus 13がテスト対象に含まれたことは、GoogleとOnePlus間の技術的な信頼関係や、同端末のソフトウェア適応力の高さを示すひとつの指標となる。Pixel依存が続いていたAndroidの開発初期段階に、新たなプレイヤーが加わる意味は小さくない。

進化するスピードに見るGoogleの焦点 Android 15の反省を活かす布石か

2024年のAndroid 15は、その展開ペースの遅さと混乱により、多くの端末がアップデートの恩恵を受けられないまま数か月を過ごした。Samsungですら対応がようやく始まった状況だったことを考えると、今回のAndroid 16におけるサードパーティ向けベータの早期提供は、Googleがリリース戦略を見直した兆候と捉えられる。特に、OnePlus 13のようなハイエンド機への先行展開は、その信頼性と市場性を意識した選定とも考えられる。

ただし、現時点では開発者向けという建前のもと、安定性は大きく犠牲にされている。端末の文鎮化リスクや、主要機能に支障をきたす不具合をあえて明記していることからも、日常利用者には到底勧められる段階ではない。それでも、これまでPixel以外の端末がこの段階でベータに参加する例はほとんどなく、OSの進化を体感したい層にとっては大きな意義を持つ。

Googleがベータ段階から多様な端末でのフィードバックを得ようとしている動きは、結果としてAndroidの完成度を引き上げる流れにつながる可能性もある。2025年の正式リリースに向けて、今回のOnePlus対応はその試金石と言えるだろう。

リスクと期待の狭間 上級者にとっての「試す価値」とは

OnePlus 13へのAndroid 16 Beta 2導入は、明確に「技術的知識のあるユーザー」を想定している。OnePlus自身が、ソフトウェア開発経験のないユーザーには導入を避けるよう警告しており、特にメイン端末として使用している場合は非推奨とされている。また、導入にはデバイスのフラッシュやカスタムROMの理解も必要であり、操作ミスひとつで取り返しのつかない事態になりかねない。

このような高いハードルが設けられている一方で、それでも試す価値があると感じる層が存在するのも事実だ。特に、Androidの最新機能を実機で試し、今後のソフトウェア開発やUI変化の方向性を肌で感じ取りたいというモチベーションを持つ者にとっては、多少の不安定さを覚悟してでも導入するだけの魅力がある。

既知の不具合リストが提示されている点や、文鎮化のリスクが明示されていることは、むしろ透明性の高さとして好意的に捉えることもできる。すべてを理解した上で試すという前提に立つならば、これは次期Androidを誰よりも早く体験できる貴重な機会といえるだろう。

Source:Trusted Reviews