MicrosoftはWindows 11のスタートメニューに大幅な改良を加える方針を示した。新機能として、全インストール済みアプリの自動表示、ピン留めアプリやおすすめ機能の非表示設定、カテゴリ別やアルファベット順でのアプリ整理といったカスタマイズが可能になる。

これらの変更はWindows Insider Program内でテストが進行しており、ベータチャネルでは「ViVeTool」を活用した設定により一部機能の先行体験も可能となっている。現時点で正式リリース時期は未定であり、今後の展開が注目される。

刷新により、従来のクリック操作を削減しながらも、より直感的かつ柔軟な操作性が実現される可能性が高く、業務効率の観点でも注視すべき改良といえる。

スタートメニューの構造を再編 全アプリ表示とグリッド形式の導入

新たなWindows 11のスタートメニューでは、これまで追加操作が必要だった「すべてのアプリ」の一覧が初期表示の中に統合される仕様となっている。ユーザーはピン留めされたアプリやおすすめ項目に加えて、全インストール済みアプリへ即時アクセスできるようになり、表示形式も3種類が用意される。アルファベット順リスト、アプリ名で分類されたグリッド、そしてiOSのAppライブラリに近いカテゴリ別グリッドと、目的や好みに応じた整理が可能になる。

これにより、従来のスタートメニューで生じていた「目的のアプリに辿り着くまでの遷移の多さ」が大幅に軽減されると考えられる。検索バーも上部に維持されるため、既存の利用者体験を損なうことなく、階層構造を廃したフラットなUIを実現している点が注目される。業務上、多数のアプリを扱う環境では作業時間の短縮やクリック数の削減が見込まれ、設計思想においても実用性が優先された改良であることがうかがえる。

カスタマイズ性の向上とユーザー選択の自由

新スタートメニューには、ユーザーがピン留めアプリの数を柔軟に調整したり、「おすすめ」セクションそのものを非表示にする新機能が追加される。これまでスタートメニューのレイアウトは一定の構造に制限されていたが、今回のアップデートにより、必要な情報だけを表示し、不要な要素を完全に排除できるようになる。表示領域はやや広がる可能性があるが、それを補って余りある自由度が提供される。

この設計思想は、ユーザーの作業環境や利用目的が多様化する中で、Microsoftが一律のUIでは対応しきれないと判断した結果と捉えることができる。特に業務端末やクリエイティブ用途においては、不要な項目を省いた「アプリ一覧のみ表示」のスタイルが歓迎される傾向が強い。選択肢の提供により、ライトユーザーからパワーユーザーまで対応するインターフェースとなる可能性がある一方で、カスタマイズ作業そのものが煩雑になる懸念も否定できない。

ベータテストと展開時期の不透明性

このスタートメニューの刷新は、Windows Insider Programのベータチャネルで限定的にテストされており、一般公開の時期は未発表である。利用にはサードパーティ製の「ViVeTool」を用いた追加設定が必要で、標準環境下では機能が無効化されている。特定の機能コードを手動で有効にする必要があり、技術的な知識が求められるため、現段階では一般ユーザーの利用は推奨されない。

正式リリースに向けてMicrosoftが慎重な姿勢を取っている背景には、大規模なUI変更に伴う互換性やユーザーの反応を見極める意図があると考えられる。実装が進む中で、テスト版と最終版で仕様が異なる可能性もあり、既存のフィードバックがどのように反映されるかが今後の鍵となる。UI変更はしばしば賛否を招くが、今回のように段階的なテストと段階的リリースを経ることで、移行時の混乱を最小限に抑える意図が読み取れる。

Source:Lifehacker