次世代ゲーム機「Nintendo Switch 3」が、Intelの先端製造技術「18Aプロセス」を採用したGPUを搭載する可能性が浮上した。KeyBancのアナリストJohn Vinh氏によれば、IntelはすでにNintendoとの提携を進めており、2024年後半に量産を予定する18Aプロセスがその鍵を握ると指摘されている。
一方でIntelは、競合のAMDに対抗すべくLunar Lakeシリーズの価格を最大40%引き下げ、市場シェアの拡大を狙っている。AsusのZenbook S 14など、Core Ultra搭載製品にもすでに価格変動の兆候が見られ、動きは現実化しつつある。
ただし、Switch 3が確実にIntel GPUを採用するかは不透明であり、製造を請け負うIntel FoundryのチップがAMD、Nvidia、Qualcomm、あるいはIntel自身の設計である可能性も残されている。
Switch 3に向けたIntelの18A製造プロセスとLunar Lake戦略の連動

KeyBancのJohn Vinh氏によると、IntelはNintendoと提携し、2024年後半より量産予定の最先端18Aプロセスを「Switch 3」向けGPUの製造に供給する可能性があるとされる。この18Aノードは、Intelがファウンドリ事業において他社との差別化を狙う技術であり、従来の8nmプロセスを採用していたSwitch 2と比較しても大幅な微細化となる。
加えて、IntelはLunar Lakeシリーズの価格を最大40%引き下げることで市場シェア拡大を急いでおり、Asus Zenbook S 14のようなノートPCにもその影響が現れ始めている。
一方で、Lunar Lakeの価格引き下げと18Aノードの提供は必ずしもSwitch 3との直接的な結び付きがあるとは限らない。Vinh氏の指摘は、Intelの戦略が任天堂の新型ハード開発と時期的に重なることを示唆するにとどまり、実際に搭載されるGPUがIntel製である保証はない。
つまり、Intelが製造のみを担い、設計自体はAMDやQualcommなど別の半導体メーカーが行う可能性も残されており、今後の発表を注視する必要がある。
任天堂の次世代機構想とIntelのファウンドリ事業の交差点
任天堂はSwitch 2の正式な出荷すら開始していない段階にありながら、業界ではすでに「Switch 3」に関する技術的推測が飛び交っている。特に注目されるのが、IntelのFoundry Servicesが提供する18Aプロセスを任天堂が採用するかどうかという点である。
この選択は、同社がAMDのカスタムAPUに依存してきた過去からの転換を示唆するものであり、設計と製造の分離というファブレス構造の進化を表している可能性もある。
ただし、18Aノードが採用されたとしても、それがIntelのGPU設計を意味するわけではない。Vinh氏も言及しているように、Xe²アーキテクチャの搭載は現時点で想定されておらず、仮にIntelが製造を受託しても、最終製品のアーキテクチャは多様な選択肢の中から決定される余地がある。
また、Lunar Lakeの価格戦略がPC市場への影響を意図したものである点を踏まえれば、Nintendoのコンソール分野とは切り離して考える必要がある。製造コスト低下がSwitch 3の価格設定に寄与する可能性もあるが、技術的選定の段階で現実化するとは限らない。
Source:Notebookcheck