NVIDIAの次世代GPU「GeForce RTX 5060 Ti」は、RTX 4060 Tiに対して約15%の性能向上にとどまるとする初期ベンチマークがGeekbench上で確認された。VulkanおよびOpenCLのスコアはいずれも4060 Tiを上回るものの、上昇幅は控えめで、登場前から期待外れとの声が広がっている。

特に16GB VRAMモデルの性能が注目される中で、価格設定に関する未確認のリークでは、前世代よりも低価格となる可能性が指摘されており、市場の反応を左右する要素となるだろう。現時点ではゲーミング実性能の検証が待たれる状況であり、今後の詳細な評価結果が注目される。

RTX 5060 Tiの初期ベンチマーク結果と性能評価

RTX 5060 Tiは、Geekbench上のVulkanスコアで140,147、OpenCLで146,234を記録しており、前世代のRTX 4060 Tiと比較しておよそ13〜15%の性能向上にとどまる。これらの数値は、Wccftechを通じて共有されたBenchLeaksによって確認され、登場前の予備的な指標として注目を集めている。

しかし、あくまで合成ベンチマークの一部結果であり、実際のゲーミング環境でのフレームレートや熱設計パワー(TDP)、消費電力との相関については未検証の段階にある。

RTX 5060 Tiは16GBのGDDR6メモリを搭載していることが確認されており、VRAM容量の増加が大規模タイトルや高解像度設定においてアドバンテージをもたらす可能性もある。

ただし、現時点では詳細なアーキテクチャ情報やCUDAコア数など、設計上の全体像は明らかになっておらず、パフォーマンスの全貌を判断するには不十分な状況である。リリース後の包括的な実機レビューが、最終的な性能評価の鍵を握るだろう。

消費者心理と価格設定のバランスが市場評価を左右

RTX 5060 Tiに対する初動の反応は、性能向上幅の限定性から冷ややかなものであり、ソーシャルメディアやオンラインフォーラムでは「買い替える意味が見出しにくい」といった指摘が散見されている。

一方で、現時点で流出している価格情報によれば、16GBモデルが429ドル、8GBモデルが379ドルとされており、RTX 4060 Tiの初期価格を下回る可能性がある。仮にこの価格設定が正確であれば、性能比価格の観点からの再評価も起こり得る。

性能面でのインパクトが小さい場合、NVIDIAが求められるのは価格戦略の明確化と他社製品との差別化である。RTX 5060 Tiが担うべきは、主にミドルレンジ市場での需要の吸収であり、コストパフォーマンスに敏感な層の支持を得ることが不可欠となる。

AMD製GPUとの価格競争や、既存ユーザーのアップグレード需要との兼ね合いも含め、市場全体がこのモデルをどのように評価するかは価格発表と同時に大きく揺れ動くと見られる。

Source:TweakTown