アナリストのJeff Puは、Appleが2026年第4四半期に折りたたみ式iPhoneと18.8インチの折りたたみ式iPadの2機種を同時に量産開始すると予測している。これにより、Appleはスマートフォンとタブレットの両市場で折りたたみ型デバイスの本格参入を果たす可能性がある。

一方、BloombergのMark GurmanはiPadの投入時期を2028年と見ており、予測の隔たりが注目される。Puの見解は、サプライチェーンの動向と過去の発言を踏まえたもので、Appleの動きが市場に与えるインパクトの大きさを示唆している。主流化が進まぬ折りたたみ市場において、Appleの参入が流れを変える契機となるかが焦点だ。

2026年に登場する2つの折りたたみデバイスの仕様と時期に関する分析

アナリストのJeff Puが公開した調査ノートによれば、Appleは2026年第4四半期に折りたたみ式iPhoneと18.8インチの大型折りたたみ式iPadを同時に量産開始する計画を立てているという。これまで折りたたみ式iPhoneに関する噂は多かったが、今回新たに注目を集めているのが、従来のタブレットサイズを大きく上回るiPad Foldの存在である。

従来報道では、このiPadの登場は2028年以降とされていたが、Puの主張はそれを明確に前倒ししている。この時期のずれについては、BloombergのMark Gurmanが昨年末に指摘した情報との食い違いがある。Gurmanは、Appleが折りたたみ式iPadを2028年に発表する可能性を示しており、Puの示すスケジュールと大きく対立している。

こうした予測の分裂は、Appleの開発スケジュールが流動的であること、または製品仕様が複数存在する可能性を示唆する。特に、iPad Foldが量産段階に至るには、ディスプレイ技術の進展やヒンジ機構の信頼性確保といった技術的課題の克服が必要とされる。

18.8インチというサイズは、タブレットという枠を超え、ノートPC市場とも重なる新たな領域に足を踏み入れることになる。Appleがこのサイズに挑む背景には、プロユースや教育分野、クリエイティブ業務などへの訴求があると考えられる。従来のiPadとは異なるユーザー層を取り込み、新たな利用シーンの創出を目指していることがうかがえる。

苦戦が続く折りたたみ市場とApple参入の意味合い

現在の折りたたみ式端末市場は、Samsung、Huawei、Oppo、Honorといった中国・韓国勢が主導しているものの、いずれもニッチ市場にとどまっており、製品価格の高さや耐久性への懸念から一般層への普及には至っていない。とりわけスマートフォンにおける折りたたみモデルは、コンセプトの革新性と実用性のギャップが指摘されてきた。

こうした市場環境の中でAppleが折りたたみ式デバイスを投入する意味は、単なる新製品の追加にとどまらない。Appleは、製品の完成度とエコシステムの一体化によって、新しいカテゴリを主流へと押し上げてきた実績を持つ。

iPhoneやiPad、Apple Watchにおいては、既存市場のパラダイムを塗り替える影響力を発揮してきた。今回の折りたたみ式デバイスについても、デザイン、操作性、アプリ連携、アクセサリーとの統合など、多角的なユーザー体験の最適化によって市場を牽引する可能性がある。

ただし、今回Puが示した2026年の投入計画は、Gurmanが指摘するように現時点では不確定要素も多く、Apple自身の評価基準によって製品化が遅れる可能性も排除できない。加えて、折りたたみデバイスが抱える価格面のハードルや技術的課題が解決しない限り、Appleといえども一足飛びの普及は望みにくい。

にもかかわらず、Appleがこの領域に参入するという事実だけで、業界内外に大きな波紋を呼ぶことは間違いない。

Source:PhoneArena