独XMGが、Nvidia GeForce RTX 5070 Ti(最大140W TGP)と最大128GBのDDR5-6400メモリを搭載可能な新型ノートPC「Pro 16(E25)」の予約受付を開始した。ディスプレイは16型2560×1600、300Hz・500ニトと映像性能も際立つ。

価格は1,999.99ユーロ(税込)に抑えられ、競合製品と比較してもGPU性能や拡張性に優位性があるとされる。CPUにはIntel Core Ultra 9 275HXまたはCore i9-13900HXを選択でき、冷却機構もデュアルファンや銅製フィン、キーボード吸気などを採用する本格仕様。

BIOSと専用ソフトによる詳細な設定やオーバークロック対応も特徴で、ゲーミングとクリエイティブ用途を想定した高性能マシンとして注目されている。出荷開始は2025年5月中旬、4月24日までは5%の早期割引が適用される。

RTX 5070 Tiと最新Intelチップの組み合わせが示す高性能設計の狙い

XMG Pro 16(E25)は、Nvidia GeForce RTX 5070 Tiを最大140W TGPで駆動し、Intel Core Ultra 9 275HXまたはCore i9-13900HXを選択可能とする構成により、モバイル環境での高いパフォーマンスを志向する設計が際立つ。メモリはDDR5-6400を最大128GBまで拡張可能で、GPUとCPUに対し195Wの持続電力を供給する設計も相まって、要求の厳しい3Dグラフィックスや並列処理を伴うタスクにも耐える能力を持つ。

また、冷却系統にはデュアルファンに加え、銅製フィン、PTM7958サーマルパッドを組み合わせた空冷方式を採用し、キーボードからの吸気によって効率的な熱処理を実現している点も特徴である。ディスプレイには300Hzの高リフレッシュレートと500ニトの高輝度パネルを搭載し、sRGBカバー率100%により映像編集やゲーム用途における色再現性にも配慮されている。

これらの仕様は、従来ゲーミング用途に偏重しがちであったミッドレンジノートの枠を超え、プロフェッショナルな制作・演算環境に求められる性能要件を意識したものと見受けられる。価格を抑えつつも性能と安定性を両立する点で、同価格帯における競合機種との差別化を明確に打ち出している。

カスタマイズ性と拡張性が提示する実用志向のアプローチ

XMG Pro 16は、ユーザーによる詳細なパフォーマンス調整を前提に設計されている点が特筆に値する。BIOSおよびXMG Control Centerにより、RAMのタイミングチューニングやCPUのアンダーボルティング、電力制限の変更など、きめ細かな制御が可能とされており、汎用的なモバイルPCには見られない高いカスタマイズ性が確保されている。

加えて、ストレージ面ではM.2スロットを2基装備し、最大4台の外部ディスプレイ出力にも対応。出力端子にはMini DisplayPort 2.1やHDMI 2.1、Thunderbolt 4(Ultra 9搭載時)を含む多様なポート構成を備え、映像制作や技術開発といった業務用途にも対応可能な柔軟性を提供する。Webカメラにはプライバシーシャッター付きの1080pカメラを採用し、セキュリティ面への配慮も見受けられる。

このように、Pro 16の設計思想は「ゲーミングノート」に留まらず、「使い込むことで性能を引き出す」機材としての側面が強い。パーツ選定から冷却構造、UI設計に至るまで、単なる一過性の高性能ではなく、長期にわたって活用可能な拡張性と柔軟性を内包した製品といえる。業務や創作の現場で、安定性と自由度を求めるユーザー層への訴求力は高い。

Source:NotebookCheck