Pixel 9aが4月時点で実行しているのは最新のAndroid 15 QPR2ではなく、2024年12月配信のQPR1にとどまっている。この影響で、通知のクールダウン機能やBluetooth接続時の視覚的バッテリー表示、「モード」など複数の新機能が利用できない状況にある。

GoogleはQPR2の導入を次のFeature Dropまで見送るとしており、安定性重視の判断によるものと説明。6月にはAndroid 16が登場する可能性もあり、Pixel 9aが最新機能に触れるのはさらに先になる見通しだ。

Android 15 QPR1に留まるPixel 9a 利用できない新機能の具体例と影響

Pixel 9aが2025年4月の時点で実行しているのは、2024年12月に配信されたAndroid 15 QPR1であり、3月に登場した最新のQPR2アップデートは未適用となっている。これにより、Pixel 9aでは通知のクールダウンや新設計の「モード(Modes)」、Bluetooth接続時のデバイス画像表示といった機能が一切使えない状態となっている。

通知のクールダウンは、一時的に多くの通知が届いた場合に音量を抑え、最大2分間アラートを制限する仕組みで、電話やアラームは対象外。このような動的制御は、通知疲れを避けるための細やかな配慮といえる。また、カスタマイズ可能な「モード」機能は従来の「おやすみモード」に代わるもので、ユーザーの生活スタイルに合わせた設定が可能とされているが、これもQPR1では未実装のままである。

さらに、Bluetooth機器の詳細ページにライブ画像が表示されないことや、Wi-Fi共有用QRコードにMaterial Youデザインが反映されない点も、QPR2との差として見逃せない。いずれも日々の操作性に直結する要素であり、使い勝手の面で他モデルに後れを取る印象は拭えない。

なぜPixel 9aはQPR2をスキップしたのか Googleの判断とその背景

GoogleはPixel 9aにQPR2を提供しない理由として、「最も安定したビルド」であるQPR1の採用を挙げている。セキュリティパッチは2025年4月版が適用されており、基本的な安全性は確保されているが、機能面では数か月前の状態に据え置かれている。これは一部のキャリアによる検証期間やテスト環境との整合性を優先した結果であり、特にミッドレンジモデルであるPixel 9aは対象となりやすい。

Googleは次のPixel Feature Dropでの機能追加を示唆しているが、それは6月になる見込みであり、実質的にはQPR2の内容がスキップされるかたちになる。しかも、そのタイミングではAndroid 16がリリースされる可能性もあり、QPR2の一部機能が直接組み込まれるか、それとも置き去りにされるかは不透明だ。

仮にPixel 9aがAndroid 16 Betaに対応しない場合、ユーザーはさらに数か月にわたり最新機能にアクセスできない状況が続く可能性がある。特定モデルへの優先配信はこれまでもあったが、廉価モデルでも最新体験を求める声が増す中、今回の判断は一定の不満を招く要因となりそうだ。

Source:9to5Google