サムスンは次期フラッグシップ機「Galaxy S26」への搭載を目指し、2nmプロセスのExynos 2600チップセット開発で目覚ましい進展を遂げている。ファウンドリー事業の立て直しを経て、歩留まりは40%超に達し、TSMCの水準に迫る勢いだ。量産は2024年11月に開始される予定で、実現すればAppleの3nmプロセス採用のiPhone 17を上回る先行投入となる可能性がある。

過去に性能・効率面でSnapdragonに劣るとされたExynosだが、自社開発チップでの競争力強化はサムスンの戦略における要であり、端末の革新性を左右する。技術面の進展が市場評価を覆せるか注目される。

歩留まり40%超の2nmプロセス ファウンドリー復調の兆し

サムスンファウンドリーは、2024年に直面した人員削減や生産効率の低迷といった苦境から脱しつつある。2nmプロセスの開発において、報告では歩留まりが40%を超えたとされ、業界最大手であるTSMCの60%に迫る水準にまで改善が見られる。これにより、2024年11月にはExynos 2600の量産開始を予定しており、先端技術の商業化に向けた実行段階に入ったとみられる。

従来の3nmプロセスで苦戦していたことを踏まえれば、この進展は製造技術の洗練と内部改革の成果とも言える。特にモバイル向けプロセッサ分野での競争は激化しており、サムスンとしても自社製チップの安定供給体制構築は喫緊の課題だった。2nmという極小プロセスノードでの歩留まり向上は、単なる量産可能性にとどまらず、同社の半導体戦略全体に新たな説得力を与えることになる。

今回の進捗により、サムスンが再び設計と製造の垂直統合を武器に、AppleやQualcommに対抗し得る基盤を築きつつあることは注目に値する。Exynos 2600の成否が、単なる一製品を超えて、ファウンドリー事業全体の評価を左右する可能性も否定できない。

Exynosは再評価されるか 過去の不信と現在の技術革新

Exynosプロセッサはこれまで、Snapdragonと比較して性能・電力効率の両面で劣るとされ、特に欧州やアジア圏のユーザーからは一部で不満の声が根強く存在してきた。米国市場ではQualcomm製チップが標準となっていることも、この評価の裏付けとされてきた。一方、サムスンはExynosブランドを維持し、自社製チップによる主導権確保を戦略上重視し続けている。

今回のExynos 2600が2nmプロセスでの製造となれば、これまでの制約を打破する性能飛躍が期待される。特にAI処理や省電力設計の分野において、先端プロセスの恩恵は顕著であり、Galaxy S26に搭載された場合は過去モデルとの差異が強調されるだろう。AppleがiPhone 17で引き続き3nmを採用する見通しの中、2nm世代の先行投入は差別化の大きな武器となる。

ただし、技術的優位性が必ずしも市場評価につながるとは限らない。過去の不信を払拭するには、数値的な性能だけでなく、安定性・互換性・発熱管理など、実使用環境における総合的な品質が求められる。Exynos 2600の登場は、サムスンにとって単なる製品発表ではなく、半導体事業の信頼回復をかけた重要な転機と位置づけられる。

Source:PhoneArena