Googleの次期折りたたみスマートフォン「Pixel 10 Pro Fold」の価格が、前モデルよりも200ドル安い1,600ドルになるとのリーク情報が浮上した。これは主要メーカーとしては初の本格的な値下げとされ、約23万円という価格は、従来よりも折りたたみ端末が現実的な選択肢になり得ることを意味している。

折りたたみスマホ市場はこれまで高価格帯が常識とされてきたが、この動きが転換点になる可能性がある。今後、SamsungやOnePlusなど他の主要ブランドも価格見直しに踏み切るかどうかが注目される。

Pixel 10 Pro Foldは本当に“安い”のか?過去モデルとの価格差を検証

Pixel 10 Pro Foldのリーク価格は1,600ドルで、これは現行のPixel 9 Pro Foldよりも200ドル低い。初代モデル登場時の2,000ドル超えと比較しても、確実に価格が現実路線に近づいているといえる。GoogleがPixel 9 Pro XLの1TBモデルに設定した価格と比べても、Pixel 10 Pro Foldは50ドル高いだけであり、折りたたみ端末としては異例の“差のない価格帯”に突入している。

この価格設定が事実であれば、従来の「価格の壁」により手を出せなかった層にとって、選択肢に加えられる可能性が出てくる。もちろん、まだフラッグシップの非折りたたみスマホよりは高価だが、その差は縮まりつつある。特にPixelシリーズに慣れ親しんだユーザーにとっては、デザインの変更が少ないことよりも、価格の手頃さの方が重要な要素として浮上するかもしれない。

だが、“安さ”が単なる数字の比較にとどまるのか、それとも本質的な価値の転換点になるのかは、今後のスペックと使用感次第である。現時点では価格だけが先行しているが、それが真に市場の期待に応える内容かどうかはまだ不透明だ。

修理性と長期使用の観点から見る折りたたみ端末の現実

折りたたみスマホの修理は長らく課題とされてきた。Pixel 10 Pro Foldについても、今後Googleがどの程度までこの課題に対応するかが注目されている。折りたたみ構造の複雑さや、可動部の故障リスク、そして専用部品の高さが、従来モデルにおけるユーザーの不安材料だった。単純に価格が下がっただけでは、長期利用における安心感にはつながらない。

仮に端末の販売価格が下がっても、修理部品が依然として高額であれば、数年後のトラブル時に「結局買い替えた方が安い」となる可能性は拭えない。特にヒンジ部分や折りたたみディスプレイは、故障頻度が高くなる傾向にあるだけに、ここへの対応が重要だ。Googleがこの部分のコストと供給体制を見直すのであれば、価格と合わせて“使い続けられる端末”としての評価も高まる。

今後、Pixel 10 Pro Foldが単なる価格戦略だけでなく、修理やサポート体制の強化にも目を向けるならば、本当の意味で折りたたみスマホの“日常化”が進むだろう。現時点では価格だけが注目されがちだが、真の革新はアフターサポートにこそ現れる。

ライバルの反応と“iPhone Flip”の可能性

Pixel 10 Pro Foldの価格リークがもたらした影響は、Google製品の枠を超えて広がり始めている。特に注目されるのは、SamsungやOnePlusといった既存の折りたたみ端末メーカーが、この価格引き下げの動きにどう応じるかである。Galaxy Z FoldシリーズやFlipシリーズが次世代で価格を抑えてくる可能性もあり、競争構造そのものが変わるかもしれない。

また、まだ折りたたみ市場に参入していないAppleの動向も見逃せない。仮に“iPhone Flip”のような製品が登場すれば、その影響は計り知れない。iPhone 16 Pro Maxクラスと価格が近ければ、iOSを使い続けたい層にとっては移行のハードルが一気に下がる。加えて、NothingやHMD Globalといったブランドが個性的な折りたたみ端末を投入することで、ユーザーの選択肢はさらに広がる可能性がある。

ただし、これらはすべてGoogleの動きが確定的なものとなった後の話だ。現段階ではまだ価格情報も非公式であり、各社が実際にどう動くかは不透明である。しかし、Pixel 10 Pro Foldの価格が本物であれば、それは折りたたみスマホ市場の構造そのものを動かす一手となるかもしれない。

Source:Tom’s Guide