OPPOが発表した新フラッグシップ「Find X8 Ultra」は、Proモデルを超える仕様で注目を集めている。最大の特徴はカメラ構成で、4つの50MPカメラすべてが大型センサーに刷新され、1インチのLYT-900メインカメラや6倍ペリスコープズームを復活させた点が大きい。

SoCにはDimensity 9400ではなくSnapdragon 8 Eliteを採用し、バッテリーは6,100mAh、100Wの急速充電にも対応。6.82インチQHD+フラットOLEDや超音波指紋センサーなど、細部までハイエンド仕様が貫かれている。

1インチセンサーと6倍ズームの復活がもたらす撮影体験の進化

OPPO Find X8 Ultraの最大の進化点は、カメラシステムにおける大幅な刷新である。中でも、1インチのLYT-900センサーを搭載したメインカメラは、従来モデルの1/1.4インチから格段に大きくなっており、暗所性能やダイナミックレンジの向上が期待される。また、3倍ズームにはGalaxy S25のメインカメラと同サイズのLYT-700センサーを採用し、さらに6倍のペリスコープズームカメラも再び搭載された。これらすべてが50MPセンサーで統一されており、画質の一貫性にも配慮が見られる構成だ。

センサーの大型化により、取り込める光量が増し、明暗差の激しい場面でもディテールを保った撮影が可能になる。また、3倍・6倍ズームいずれもセンサーサイズが拡大されたことで、遠距離撮影でも被写体の質感を保ちやすくなったと考えられる。特にペリスコープの復活は望遠撮影を重視する層にとって歓迎される仕様だろう。

この構成は、OnePlus 13に搭載されたカメラよりもはるかに強力であり、Find X8 Ultraが「OnePlus 13 Ultra」のような存在として位置づけられる理由のひとつとなっている。ただし、すべてのセンサーが大型化したからといって自動的に良い写真が撮れるとは限らない。画像処理やチューニング次第では、その性能差が活かされない可能性もあり、実際の撮影結果を見極めることが求められる。

Snapdragon 8 Eliteと大型バッテリーでパフォーマンスと持続性を両立

Find X8 Ultraには、MediaTek製Dimensity 9400ではなく、QualcommのSnapdragon 8 Eliteが搭載されている。名称から察するに、このチップはSnapdragon 8 Gen 3以上の性能を狙った高性能モデルと考えられ、CPUやGPU性能の面でProモデルを確実に上回る構成だ。日常のアプリ動作はもちろん、動画撮影やAI処理など負荷の高いタスクにおいても、高速かつ安定した動作が可能になるとみられる。

加えて、6,100mAhという大容量バッテリーに100Wの急速充電が組み合わされている点も注目に値する。従来のProモデルが5,910mAh／80Wであったことを踏まえると、スタミナと充電スピードの両面で明確な進化がある。しかも、ワイヤレス充電は50Wを維持しており、有線・無線どちらでも実用的な運用が可能である。

ただし、ハイエンドSoCと大容量バッテリーは発熱や重量の増加にもつながりやすい。冷却機構や筐体設計の完成度次第では、パフォーマンス維持に課題が出る可能性もある。とはいえ、このクラスの端末を求める層にとっては、バッテリーの長寿命化とハイパフォーマンスの両立は非常に魅力的であり、選択肢の筆頭に挙げられる仕様といえる。

ハード以外の進化にも注目　マスターモードやライトニングスナップなど多彩な撮影機能

Find X8 Ultraには、ハードウェアの強化に加えて、撮影機能に関しても注目すべき点が多数存在する。特に「マスターモード」は、カスタムプリセットを利用することでシーンに応じた撮影スタイルを細かく設定できる仕組みとなっており、表現の幅を広げたいユーザーに適している。さらに「ライトニングスナップ」によって動体撮影の応答性も向上し、瞬間的なシャッターチャンスを逃しにくくなった。

動画撮影においても、1倍および3倍ズームカメラで4K/120fpsの高精細スローモーション撮影が可能となっている点は見逃せない。さらに、手ブレ補正機能「ウルトラステディ動画」も4K/60fpsで使用できるため、アクション撮影でも実用的だ。また、AIテレスコープズームやトゥルークロマカメラによる色温度補正機能など、補助機能も豊富に盛り込まれている。

ただし、これら多彩な撮影機能が実際の使用環境でどれほど活用されるかは、ユーザーの撮影スタイルやUI設計の完成度に左右される。特に設定項目が多い機能は、直感的に扱える操作性が伴って初めて真価を発揮する。機能の数だけでなく、それらをいかに効率よく使えるかが、今後の評価を左右する要素となるだろう。

Source：Android Authority