Appleが開発中とされる8インチの折りたたみ式iPhoneおよび最大19インチに達するiPadは、2026年にも登場する可能性がある。しかし、それらのデバイスは、既存機種よりも価格が大幅に上昇する一方で、機能面では多くの妥協が生じると指摘されている。

特にiPhone 17 Airでは、デザイン性を優先するあまりProチップや広角カメラ、ステレオスピーカーなどの主要機能が削除されるとの報道もある。アナリストのMing-Chi Kuo氏によれば、7.8インチの折りたたみ式iPhoneは最大2,500ドルに達する可能性があり、Face IDをTouch IDに置き換えるなどの後退も含まれる。

SamsungのZ Foldシリーズに倣う形で登場する見込みだが、既存のiPhoneとApple Watchの組み合わせで代替できる機能が多く、新たな使用価値の提案が乏しい。形状や話題性だけでは、長期的な支持を得るのは困難といえるだろう。

折りたたみ式iPhoneとiPadが抱える設計上の制約と価格の不均衡

Appleが開発中とされる折りたたみ式デバイスは、目新しさこそあるものの、その構造上の制約と価格の不釣り合いが早くも課題となっている。8インチのiPhoneと19インチのiPadが構想されているが、薄型設計を維持するために多くの主要機能を削減せざるを得ないとされる。

たとえば、iPhone 17 Airでは、Proチップや超広角レンズ、ステレオスピーカー、さらには物理SIMスロットまでもが省かれる可能性が報じられている。それにもかかわらず、通常モデルよりも100ドル以上高価になると見込まれており、これはAppleがユーザー体験よりも話題性を優先している印象を与える。

加えて、Ming-Chi Kuo氏の予測によれば、折りたたみ式iPhoneの価格は2,000ドルを超え、場合によっては2,500ドルに達する可能性もあるという。この価格帯では、機能の充実が当然求められるが、現時点で報じられている内容からはその価値が見出しにくい。

高価格と機能のバランスを欠いたプロダクトは、Appleのブランドに対する信頼感にも影響を及ぼしかねない。形状の革新だけでは、ユーザーの購買動機を十分に喚起するには至らず、結果的にニッチな市場に留まるリスクを孕んでいる。

Z Flipと比較した折りたたみの意義とAppleの差別化課題

Samsungが展開するZ Flipシリーズは、折りたたみ技術の実用性を提示する好例とされている。ポケットへの収まりや自立撮影といった明確な利点があり、ユーザーの体験価値を一定程度高めている。一方でAppleの折りたたみ構想は、iPhoneとApple Watchによる現行の連携機能にすでに代替手段が存在するため、現時点では革新性よりも冗長性が際立つ。

たとえば、最大サイズのiPhone 16 Pro Maxであっても多くのポケットに収まり、Apple Watchを介して遠隔撮影も可能である。つまり、Appleの折りたたみ式端末が実現しようとする機能は、すでに既存製品の組み合わせで達成可能ということになる。加えて、Face IDからTouch IDへの後退が示唆されている点も、機能性を重視するユーザーにとってはネガティブな材料である。

差別化が難しい中で、高価格帯の折りたたみ端末を投入することは、単なる技術アピールに終始する懸念を生む。Appleが本当に必要とするのは、フォルダブル形状の中でこそ生きる新たな体験価値の提案であり、形ではなく「何ができるか」に焦点を当てた設計思想であるべきだ。

Source:Macworld