MSIおよびASUSによるNVIDIA RTX 5060 Tiの未発表グラフィックスカードが複数リークされた。中でも注目を集めているのは、PCIe 5.0に対応しながらもレーン数が8に制限されている点である。この仕様により、最新環境では問題ない可能性がある一方で、旧型のPCIe 3.0マザーボードでは著しい性能低下が懸念されている。
特にVRAMが8GBに限られる同カードは、解像度1080pでもボトルネックが生じる恐れがあるため、ゲーマー間では警戒感が広がっている。過去にはAMD RX 6500 XTでも類似の問題が報告されており、今回のリークが単なるスペックの違いではなく、実使用における影響の是非を巡る議論を再燃させている。
ASUSとMSIのRTX 5060 Tiが相次ぎリーク 仕様と外観の詳細が判明

ASUSおよびMSIの未発表グラフィックスカードとされるRTX 5060 Tiの写真が複数リークされた。ASUSからは初音ミクエディションのRTX 5060 Ti 8GBモデルが確認され、MSIからは「Inspire 2X」「Gaming」「Gaming Trio」の3種が報告されている。
ASUSモデルはUniko’s Hardwareによるティーザー画像がX上で発表されたものであり、信頼性の高い情報と見られている。MSIのInspire 2Xは8ピン電源を採用し、GamingとGaming Trioは16ピンコネクタを備える構成となっている。これらの情報はVideoCardzによって報じられたもので、発売直前の段階である可能性が示唆されている。
仕様面で特に注目されているのは、これらのモデルがPCIe 5.0に対応しながら、レーン数がx8に制限されている点である。この点については正式なアナウンスが存在しないものの、写真および関係者のリークにより仕様が裏付けられつつある。
RTX 5060 Tiが本当に8レーン仕様であれば、インターフェース帯域に関する性能評価が必要となる。これまでのRTXシリーズではx16接続が標準であり、この変化は一部ユーザーに不安を与えている。今後の正式発表が待たれる中で、現段階では事前情報を基にした冷静な分析が求められる。
PCIe x8仕様がもたらす性能上の制限とその前例に対する再検討
リークされたRTX 5060 Tiの仕様で最も議論を呼んでいるのが、PCIe 5.0に対応しながらもx8レーン構成にとどまっている点である。この設計はPCIe 5.0の帯域幅であれば理論上は問題がないとされているが、すべてのユーザーが最新の環境にあるわけではない。
特にPCIe 3.0マザーボードを使用する構成では、転送速度がボトルネックとなり、1080p解像度でもパフォーマンス低下が顕著となる可能性が指摘されている。RTX 5060 TiはVRAM容量が8GBと限られており、この制約とレーン数の問題が重なることで、高負荷環境での動作に支障をきたす恐れがある。
こうした状況は、かつてのAMD RX 6500 XTの事例と重なる。同カードもPCIe 4.0 x4に制限されていたが、PCIe 3.0環境では転送帯域の不足により著しい性能劣化が報告された。今回のRTX 5060 Tiについても、旧世代マザーボードと組み合わせた際の影響を事前に検討することが不可欠である
。レーン数が少ない構成を選択した背景には、製造コストの抑制や消費電力の最適化といった事情がある可能性は否定できない。ただし、設計上の意図とエンドユーザーの期待との間に乖離がある場合、製品評価に直結する事態となるため、今後のパフォーマンスレビューや技術解説の公開が待たれる。
Source:TweakTown