米Amazonの株価は年初来で約17%下落しているものの、依然として「マグニフィセント7」の中で最も高いアナリスト評価を維持している。2024年の決算では4四半期連続で予想を上回るEPSを記録しており、AWSや広告部門の利益貢献が全体収益を下支えしている。4月29日に予定されている2025年第1四半期決算では、EPS予想が1.37ドルとされ、市場の注目が集まる。
その一方で、利益率の改善や成長の持続性には慎重な見方もあり、今後の株価回復が短期的な材料に依存する可能性は否定できない。現在の評価水準やPEGレシオからは、割高感よりも妥当性が際立ち、「成長を適正価格で買う」投資機会としてAmazon株が再評価される余地がある。
長期的な成長基盤と4四半期連続の好決算が示す事業の堅牢性

Amazonは2024年第4四半期において、1株当たり利益(EPS)1.86ドルを記録し、コンセンサス予想の1.52ドルを大きく上回った。これにより4四半期連続で市場予測を超える成果を示しており、直近では最大で36%の利益上振れも記録されている。この継続的な業績改善は、同社のクラウドサービスAWSとインターネット広告部門という高利益率事業の成長と、物流・小売分野でのコスト管理強化の両輪に支えられたものである。
また、2025年第1四半期決算ではEPS予想が1.37ドルとされており、予想レンジが1.12~1.62ドルと幅を持つ点は、AWSの業績や全社的なコスト動向が業績に与える影響を市場が慎重に見ていることを物語る。第2四半期には平均EPS予想が1.39ドルとさらに上昇しており、堅調な成長トレンドが続くとの見方も浮上している。ただし、現段階では今後の決算も引き続き予想を上回るかどうかを判断するには不確実性が残る。
業績上振れが連続する状況は、テック業界全体が利益率の圧力に直面する中にあって、Amazonがいかに収益性の高い事業モデルを確立しているかを端的に示している。市場全体が低調な中でも、このような成長の堅実性は評価されるべき要素であるが、株価反発に結び付くかは次回の決算結果にかかっている面もある。
アナリスト評価とバリュエーション指標が示す投資妙味の再評価余地
Amazon株は年初来で約17%下落しており、現在の株価は185ドル前後と52週高値から大きく下げた水準にある。しかしながら、Barchartの分析によれば、Amazonは「マグニフィセント7」の中で最も高いアナリスト評価を受けており、全体で53名のうち48名が「強い買い」を提示し、コンセンサス評価スコアは4.89と極めて高い水準を維持している。これは3ヶ月間にわたり変動が少なく、投資家の長期的な信認が揺らいでいないことを示唆する。
さらに注目すべきは、同社のバリュエーションである。予想PERは30.44倍、PSRは3.17倍であり、PEGレシオは1.33倍と、GARP(成長と適正価格のバランス)戦略の観点からは魅力的な水準にある。特に、マイクロソフトよりも低いPERで取引されている点は、利益成長と株価のバランスにおいてAmazonの割安感を示すものといえる。
市場が過度な調整を強いられる中で、こうした評価はAmazonの構造的な強さを改めて浮き彫りにしている。ただし、決算の短期的なインパクトが過度に意識されると、長期視点での評価が後退するリスクも否定できず、冷静なバリュエーション判断が求められる局面にある。
Source:Barchart