GoogleはPixel Aシリーズのラインナップ再編に着手し、2023年モデルのPixel 7aの販売を全地域で終了した。後継機となるPixel 9aが499ドルで発売された一方、Pixel 8aも引き続きGoogleストアで販売されており、その価格は新モデルと同額の499ドルに据え置かれている点が注目される。

ただし、米国ではPixel 8aへの公式な値引きは行われておらず、他地域と比較して異例の対応となっている。英国では100ポンド、EUでは100ユーロの値下げが実施されているため、米国市場での価格維持はPixel 9aの初動販売を意識した戦略的判断の可能性がある。

一方、在庫限りとなるPixel 7aはすでにBest Buyでの販売が終了しており、Amazonでも329ドルという割引価格ながら流通量の先行きは不透明となっている。

Pixel 7aの販売終了が意味するラインナップ再編の現実

GoogleはPixel 9aの発売にあわせて、2023年モデルのPixel 7aを公式ストアから完全に撤去した。過去のPixel Aシリーズでは旧モデルの販売継続と段階的な値下げが定番であったが、今回は例外的にPixel 7aが一斉に姿を消している。Best Buyなど一部の小売店でも新品はすでに取り扱われておらず、在庫が残るAmazonでも329ドルという割引価格での販売にとどまっている。この動きは単なる世代交代ではなく、ラインナップの整理と次期モデルへの関心集中を狙った構成変更とも見受けられる。

Pixel 9aと価格差が小さいPixel 8aが販売継続中である以上、Pixel 7aの役割は急速に縮小した。昨年までのように3世代のモデルを並行展開する構図ではなく、より整理された選択肢の提示へと切り替えた形となる。限られた在庫での値下げ提供により、今後は7aがコスト重視層に訴求しつつ、在庫限りで市場から完全に姿を消す流れが想定される。

Pixel 8aが値下げされない理由とその背後にある価格戦略

Pixel 8aは現時点でもGoogleストアにて499ドルで販売されており、この価格は新発売のPixel 9aと全く同額である。通常であれば旧モデルは新機種との価格差を強調するために値下げが実施されるが、今回のPixel 8aにはその動きが見られない。Best Buyでも同価格、Amazonではわずかに安い487ドルでの販売にとどまり、割安感を強調する設定にはなっていない。この価格設定は、Pixel 9aの販売を下支えするために意図的に調整されている可能性がある。

興味深いのは、英国やEU地域ではPixel 8aがそれぞれ100ポンド、100ユーロの値下げを受けている点だ。にもかかわらず、米国市場では価格維持が貫かれている。これは、最も収益性が高い市場である米国において、新型Pixel 9aの価格競合を避ける意図があるとも解釈できる。値下げしないことで8aと9aの併売による共食いを防ぎ、あえて8aを“静かに並べる”存在として位置付けている可能性がある。価格を据え置くことによって、あくまでPixel 9aを主役として際立たせる戦略的選択が透けて見える。

Source:Android Central