Pixel 9aは、従来のカメラバーを排した「ドーム型」デザインで登場し、外観における大きな変化が注目を集めている。Googleはこのデザイン変更について、Pixel Watchの水滴形状から着想を得たことや、内部構造の最適化により出っ張りを最小限にできたと説明している。
特に「遊び心」と「ミニマリズム」を両立させるため、カメラユニットの形状や配置を細かく検討し、耐久性とのバランスも追求したという。Googleはこれを「カメラバンプ」ではなく「ドーム」と呼ぶべきだと強調しており、機能性だけでなく視覚的な一体感を重視した意図がうかがえる。
Pixel Watchの曲線美から着想を得た「ドーム」カメラの誕生

GoogleがPixel 9aで採用したカメラの「ドーム」デザインは、従来のPixelシリーズに見られたカメラバーからの大きな転換である。Googleはこの新設計を、Pixel Watchに見られる“水滴形状”と共鳴するものだと語っており、ハードウェア間のデザイン言語の統一を試みたとされる。また、デバイス内部の構造においても工夫が見られ、バッテリーサイズとのバランスや光学部品の配置最適化がカメラの出っ張りを最小化するカギとなった。
この設計により、Pixel 9aは従来の“バンプ”ではなく、より滑らかなフォルムを実現。ミニマルな印象を維持しながらも、デュアルカメラの存在をしっかりと視覚的にアピールする仕上がりとなっている。実用面では耐久性やグリップ感においても改善が見込まれており、単なる見た目の刷新にとどまらない意義がある。Googleはこの形状をもはや「バンプ」と呼ぶべきではなく「ドーム」と称しており、その言葉選びからも自信と意図の深さがうかがえる。
一方で、長年Pixelシリーズを象徴してきたカメラバーの廃止は、一部の愛好家にとって違和感をもたらす可能性がある。今後、このデザインがPixelブランドの新たな定番となるのか、それとも一代限りの試みで終わるのかは注目に値する。
デザイン変更の裏にある“遊び心”とミニマル志向の調和
Pixel 9aの開発においてGoogleが掲げたテーマのひとつが「遊び心とミニマリズムの融合」である。同社は過去モデルのような無骨さではなく、柔らかな印象を持つデザインを志向しており、それが今回のカメラ部の“楕円型”配置や、カラーバリエーションである「Iris」のような曖昧な色調の採用に表れている。こうした表現は単にトレンドをなぞるのではなく、日常の中で自然に溶け込むスマートフォン像を提示するための試みともとれる。
一見シンプルに見える構造だが、背面パネルの一体感やデバイス全体の厚みにも配慮がなされており、軽量化や握りやすさといった実用性を損なわない設計となっている。また、これまでのPixelラインのユーザーに対しても馴染みあるカメラ構成を保ちつつ、あくまで外観としての新しさを演出するにとどめている点が興味深い。
ただし、こうした方向性が必ずしも万人に受け入れられるとは限らない。特に「Pixelらしさ」をカメラバーに見出していた層にとっては、今回のデザイン変更が個性の後退と映る可能性もある。Googleが語る“遊び心”が、受け手にとってどれほど魅力的に映るかは、今後の反響次第で明らかになるだろう。
Source:Android Authority