MicrosoftはWindows 10の最新アップデート(ビルド19045.5737)において、カレンダーフライアウト内の時計表示から「秒」を削除するA/Bテストを実施している。一部のユーザー環境で確認されたこの変更は、バグではなく仕様として導入されており、従来のインターフェースと比較して情報量が減少したことに対して不満の声が上がっている。

この機能削減は、2025年10月のWindows 10サポート終了に向けた段階的な変化の一環と見られ、新しいOutlookとの連携やパフォーマンス面の批判とも相まって、移行を促す意図が含まれている可能性がある。秒表示の復元にはレジストリ操作が必要であり、一般ユーザーにとっては現実的な選択肢とは言い難い。

Windows 11では引き続き秒表示がサポートされており、今回の仕様変更は旧環境の縮小戦略の一端とも受け取れる。視覚的簡素化の裏に、製品ライフサイクル末期の方針転換が透けて見える。

秒表示削除の影響とその背景にあるA/Bテストの実態

Windows 10の最新ビルド19045.5737において、タスクバーの時計から「秒」が消えるという変化が一部ユーザーの環境で確認された。これは一時的な不具合ではなく、MicrosoftによるA/Bテストの一環と見られ、ユーザーの使用環境に応じて仕様が異なる現象が発生している。

これにより、カレンダーフライアウトの情報量は従来よりも減少し、秒単位の時刻確認が日常的に必要な業務用途では実用性が損なわれている。

この変更は、Windows 10のサポート終了が2025年10月に予定されていることを踏まえた段階的な機能簡素化と受け取れる。さらに、Microsoftは公式に「新しいPCへの切り替えを検討すべき時期」とするガイドラインも公開しており、旧バージョンからの移行を促す意図が透けて見える。

一方で、表示を元に戻すにはレジストリ編集が必要であり、多くのユーザーにとっては実質的に不可能に近い対処法となっている。これはUI変更の域を超え、ユーザー体験の質に関わる問題である。

新Outlook導入と連動するユーザーインターフェースの再編成

一部のRedditユーザーの指摘によれば、時計から秒が消えた今回の変更は、新たに導入されたOutlookとの関連性がある可能性も浮上している。新Outlookは2024年初頭よりWindows 10に展開されており、Webアプリケーションとして動作する仕様から、従来のネイティブ版メール・カレンダーアプリに比べてパフォーマンスや操作性に課題が指摘されてきた。

今回の秒表示削除も、同様の再編成の流れにあるとすれば、単なる表示上の仕様変更では済まされない構造的な変化である。

特に、秒単位の時間管理が重要な業務現場では、従来の表示形式のほうが利便性は高く、今回の改変によって現場の作業効率が低下する懸念もある。

MicrosoftがOutlookやカレンダーの統合において機能の軽量化と統一を目指すのであれば、同時にユーザーの運用実態にも十分な配慮が求められる。新しいデザインがUIの一貫性を高める一方で、具体的な機能削減が利用者の不満を招いている現状は、単なるモダナイズとは異なる評価を受ける可能性がある。

Source:PhoneArena