Microsoftは2025年4月8日、Windows UWP Map controlおよびWindows Maps Platform APIsの非推奨を発表した。これにより、これらの地図統合機能は今後更新されず、現行のサポートの範囲に限定される。背景には、同社が2024年5月に発表したBing Maps for EnterpriseとAzure Mapsの統合があり、Azure Mapsを新たな標準として位置付けている。

Microsoftは、UWPベースの地図機能を利用する開発者に対し、非推奨通知から1年以内のAzure Mapsへの移行を推奨しており、具体的な移行手順やサンプルコードを含む技術リソースも公開している。これにより、旧来の地図機能に依存したアプリケーションは、対応を急ぐ必要がある。

本件は、今後のWindows開発環境におけるUWPの後退傾向をさらに印象づける動きであり、地図機能に限らず多方面での技術転換の兆しとして注目される。

UWPマップコントロールの非推奨が示すWindows開発の転換点

Microsoftは2025年4月8日、Windows UWP Map controlおよびWindows Maps Platform APIsを非推奨とする決定を公表した。これらは、Windowsアプリケーションに地図機能を統合するための主要なAPI群であり、従来のUWPベースの開発において一定の役割を果たしてきた。

今後はサポートは継続されるものの、機能更新は停止されることが明示されており、実質的な開発終了に近い扱いとなる。この方針は、開発者にとって重要な技術的転換を意味し、既存アプリケーションの再設計が求められる場面も想定される。

背景として、Microsoftは2024年5月にBing Maps for EnterpriseとAzure Mapsの統合を発表しており、地図関連サービスの一本化を図っている。今回の非推奨決定は、この統合戦略の延長線上にあると考えられ、企業・開発者に対しAzure Mapsへの移行を促す施策として機能している。

これにより、今後はAzure MapsがMicrosoftの地図サービスの中核となり、UWPを基盤とする機能は段階的に整理されていく見込みである。

この動きは、UWPというアーキテクチャそのものの立ち位置にも影響を及ぼす。Windows開発環境ではWinUIやPWAの採用が進む中で、UWP技術の相対的な後退がさらに鮮明となった。マップAPIの非推奨は、単なる機能の更新停止にとどまらず、Microsoftの開発方針全体における重点のシフトを象徴する事例である。

Azure Mapsへの移行支援と開発者への影響

Microsoftは、非推奨となったUWP Map control利用者に対し、Azure Mapsへの移行を強く推奨している。2024年5月の発表では、Bing Maps for EnterpriseとAzure Mapsの統合によって、Azure Mapsが今後の標準プラットフォームとして位置づけられた。

これに伴い、同社は移行支援のための技術リソースを多数提供しており、移行手順やAzure Mapsコントロールの使用方法、コードサンプルを含むドキュメントが整備されている。これらは開発者が移行対応を迅速に行う上での実務的なサポートとなる。

特に注目されるのは、「非推奨通知から1年以内の移行」が推奨されている点である。この時限的な目安は、開発現場における対応の優先順位を高めるものであり、移行の遅延による技術的リスクを未然に防ぐ意図がうかがえる。

ただし、UWPからAzure Mapsへの移行は単純な置き換えではなく、アプリケーションの構造やUI設計にも影響を与える可能性があるため、実装には一定の工数を要することが想定される。

一方で、Azure Mapsはより豊富なデータ提供とAPIの拡張性を有しており、Bing Maps時代に比べて機能的な優位性がある点も見逃せない。移行は短期的な負担を伴うが、中長期的には開発基盤の刷新と高度化を促す機会にもなり得る。Microsoftがこの移行を一貫して支援する姿勢を明示していることからも、全社的な重点施策として位置付けられていることが読み取れる。

Source:Neowin