Microsoftは、従来版Outlook(Classic Outlook)のダウンロードにおいて発生していた多言語インストール障害を修正したと発表した。これは、Microsoft 365のインストールに新版Outlookのみを含める方針への移行が影響していたものであり、スタンドアロン形式で旧版を導入しようとした場合、英語表記に固定される不具合が生じていた。
原因はロケール指定の不備によるもので、Officeチームは修正を施した上で言語選択メニューを追加し、各国語でのインストールを可能とした。ただし、Microsoft Store経由のインストールでは依然として問題が残っており、公式対応の完了は2025年4月14日以降となる見通しである。新Outlookへの一方的な移行姿勢に対しては、IT管理者らからの反発も根強く、今後の利用環境への影響が注視される。
Classic Outlookに発生した多言語インストール不具合とその技術的背景

Microsoftは、従来版Outlook(Classic Outlook)のスタンドアロン版において、英語以外の言語によるインストールができない不具合を報告し、その修正に至ったと明らかにした。問題の根本には、Microsoft 365の新規インストールで新Outlookのみが含まれる仕様変更がある。
これによりClassic Outlookはスタンドアロンで個別に導入する必要が生じたが、その際のダウンロードリンクに「en-us」のclcid(ロケール識別子)が固定的に使用され、他言語指定が不可能となっていた。この技術的欠陥が、ローカライズ版インストールとの整合性を欠く一因となった。
Officeチームはこれを受け、ダウンロードページの構成を改修し、インストール時に言語を選択可能とするドロップダウンメニューを新たに追加した。2025年4月11日時点でこの修正は既に反映済みであり、Windows上でもClassic Outlookが任意の言語で起動可能となっている。
ただし、Microsoft Storeからの入手経路については、依然として誤った言語ファイルが適用される事例が確認されており、完全な修正の展開は4月14日以降とされる。Microsoftはサポートページにて、適切なダウンロード手順を案内しているが、依然として技術的混乱が続く状況である。
新Outlook強制移行への批判と企業利用環境への波紋
Neowinによる報道では、Microsoftが新Outlook for Windowsの導入を強硬に推進している現状に対して、多くのIT管理者から反発の声が上がっているとされる。2025年以降、Microsoft 365の標準インストールにおいて旧版Outlookが除外され、ユーザーは新アプリケーションの使用を余儀なくされる構造となった。
この変更は、企業利用において既存の運用体制やアドイン、カスタム設定との互換性問題を生じさせる懸念がある。Classic Outlookの排除によって、柔軟な選択肢が失われたことに対する不満は根強い。
今回の多言語不具合も、こうした移行方針の影響下で発生した一端と見られる。Microsoftは利便性とモダナイズを掲げるが、現場では依然として旧環境への依存度が高く、新版の導入がスムーズに進まないケースも多い。
企業の運用現場では、互換性検証やUIの再習得に工数を割く必要があり、業務効率の低下を招く可能性も否定できない。新Outlookの機能拡張が進む一方で、利用者の意思を尊重した移行支援体制の強化が求められている。
Source:Neowin