最新のWindows 11ベータアップデートにより、ウィジェット機能が大幅に強化された。MSNフィード内のニュース記事をウィジェット上で全文表示できるようになり、スライドショーや動画といったリッチコンテンツにも対応する。フィード形式のデザインはGoogle Discoverに似た印象を受ける。
加えて、Copilot+ PC向けにはAIセマンティック検索が追加され、操作目的を自然な文章で入力するだけで該当機能や設定に直接アクセスできるようになる。ナレーター機能もAIの活用により、画像や図表の説明精度が向上しており、アクセシビリティ面でも前進が見られる。
これらの改良は、使い勝手に課題を抱えていたウィジェット機能に再び注目を集める可能性がある一方で、実際の体験にどこまで影響を与えるかはユーザー環境次第となりそうだ。
MSNフィードがウィジェットで全文表示可能に カジュアルな情報収集体験が変化

Windows 11の最新ベータ版における最大の変化のひとつが、MSNフィードの記事をウィジェットボード上で直接全文表示できるようになった点である。これにより、これまでは見出しとリンクだけを表示するだけに留まっていたウィジェットが、1画面内で完結する読み物コンテンツとして機能し始めた。スライドショーや動画といったリッチメディアにも対応し、フィード形式の構成はGoogle Discoverを彷彿とさせるものになっている。
この仕組みは、特定のアプリを起動せずに情報へアクセスできる点で効率的であり、移動中や仕事の合間に気軽にニュースをチェックしたいというニーズに合致する。MSNフィードの表示自体は設定で無効にすることも可能となっており、閲覧スタイルに応じて柔軟に運用できる点も評価されるべきだろう。
ただし、MSNコンテンツが中心になるため、情報源の多様性には限りがあり、より幅広いニュースソースを求めるユーザーにとっては満足度が分かれる可能性もある。とはいえ、従来のウィジェットの利用価値を見直すきっかけとなるアップデートには違いない。
Copilot+ PCにAI機能を強化 ナビゲーションとアクセシビリティが向上
ベータ版で追加されたもうひとつの注目点は、Copilot+ PCを対象としたAI機能の拡張である。検索バーにセマンティック検索が統合され、ユーザーが機能名や設定項目を覚えていなくても、「バッテリー節約の設定を変更したい」などの目的ベースで検索することで、該当の設定画面に自動で誘導される仕組みが導入された。特に設定画面が多層的に構造化されているWindowsでは、この改善は操作効率の向上に直結する。
さらにナレーター機能もAIによって強化され、グラフや図表など視覚的情報の解説が可能になった点は、視覚障害のあるユーザーにとって大きな助けとなる。テキスト読み上げだけでなく、画像の文脈を捉えて説明する能力の追加は、従来の支援技術では実現が難しかった部分である。
現時点では対応環境がNPU搭載PCに限られるため、恩恵を受けられるユーザー層は限定的であるが、将来的にはより多くの端末への展開が期待される。ただし、すべての機能が常に正確に機能するとは限らないため、試用とフィードバックを通じた精度向上が鍵となるだろう。
Source:XDA