Windows 10で一度は削除されたカレンダーフライアウトクロックが、ついにWindows 11で復活する兆しを見せている。最新のプレビュー版には、通知センターからフライアウトを表示・非表示にする新たな文字列が追加されており、UIの再設計に伴う機能拡充の一環とみられる。
現行のWindows 11では、簡素なカレンダー表示のみでイベント表示や追加すら不可能な状態が続いていたため、ユーザーの不満が長らく蓄積していた。これにより、サードパーティアプリへの依存が減り、利便性が大幅に向上する可能性もある。今後はスタートメニューの刷新も控えており、操作性と一貫性を重視した方向性が鮮明になってきた。
Windows 11で再浮上したカレンダーフライアウト プレビュー版に現れた新機能の兆候

2024年後半のWindows 11プレビュー版において、通知センター内でカレンダーフライアウトクロックを表示・非表示にできる設定項目の文字列が確認された。これは、長らく未対応だったカレンダー関連機能がようやく改善される兆しとして注目されている。現行のWindows 11では、通知センターに表示されるのはシンプルな日付とカレンダーのみで、予定表示やイベント追加といった機能は実装されていない。そのため、ユーザーの多くはサードパーティ製の「Calendar Flyout」アプリなどに頼らざるを得ない状況が続いてきた。
一方で、Windows 10ではかつてこの機能が標準搭載されており、近年になってMicrosoftがその提供を終了した経緯がある。今回の動きは、その削除によって不満を抱えたユーザー層に対する調整策とも受け取れる。ただし、現時点ではテスト段階にとどまっており、実際に安定版へ反映されるかは未確定のままである。Microsoftは通知センターに限らず、スタートメニューの再設計など全体的なUIの見直しも進めており、今回の試みもその流れの一環とみられる。
なぜ今カレンダーフライアウトが重要なのか サードパーティ依存への限界と標準機能への期待
Windows 11の通知センターにイベント確認機能が長らく存在しない状況は、多くのユーザーの利便性を損なってきた。予定の確認や追加といった基本操作ですら、別途アプリを導入する必要があるという構造は、日常的にPCを使う人々にとってストレスの原因となっている。実際、Microsoftが2021年にWindows 10からカレンダーフライアウトを取り除いた際には、Redditなどで不満の声が多く上がっていた。こうした声が継続的に寄せられてきたことで、ようやく再導入が検討されるに至った可能性がある。
また、通知センターという常時アクセス可能なUIに時計や予定情報が表示されないというのは、OS全体の完成度としても疑問を抱かせるポイントだった。サードパーティ製のソフトウェアに機能を頼ることは、セキュリティや互換性の面でも不安が残る。これまでサードパーティの「Calendar Flyout」などが代替手段として一定の評価を得てきたが、Microsoftが公式に再び同様の機能を組み込むことで、安定性と一貫性のあるユーザー体験が実現する可能性がある。カレンダーという基本的な情報を扱う機能だからこそ、標準装備としての信頼性が求められている。
Source:Neowin