ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが巨額の資金を投じたオキシデンタル・ペトロリアム(OXY)の株価が、2025年4月11日時点で36.26ドルまで下落し、2022年2月以来の安値を記録した。年初来で26%の急落を見せ、平均取得価格54.20ドルの2億6500万株という保有ポジションにより、バークシャーは推定で約47億ドルの含み損を抱える結果となっている。

エネルギー価格の低迷や米中関係悪化によるマクロ環境の変動が、特に債務比率の高いオキシデンタルに重くのしかかっている。四半期ベースでは原油・天然ガス価格の上昇も確認されたが、依然として同社の構造的な脆弱性や成長力不足に対する市場の懸念は根強い。アナリスト評価も慎重姿勢を崩しておらず、5月8日の決算発表が重要な転機となる可能性がある。

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オキシデンタル株下落の背景にあるマクロ経済圧力と個別要因

2025年4月時点でオキシデンタル・ペトロリアム(OXY)の株価は36.26ドルまで急落し、年初来26%の下落を記録した。これは、同期間において約12%の下落にとどまるS&P500エネルギーセクター全体と比較しても著しく劣後している。

下落の主因とされるのが、WTI原油価格が1バレルあたり60ドルを割り込んだことに伴うエネルギー需要減退への懸念である。これに加えて、米中貿易摩擦の再燃や世界的な景気後退懸念がリスクオフの動きを加速させ、エネルギー関連銘柄に対する投資家心理を悪化させている。

特にオキシデンタルは債務比率の高さが知られており、市場環境が悪化する局面では他の競合よりも売り圧力を受けやすい構造にある。こうした財務的脆弱性は、市場が将来のキャッシュフロー創出能力に懸念を抱く要因となっている。

さらに、同社は長期的戦略としてカーボンキャプチャー分野への大規模投資を継続しており、その資本集約性が短期的な収益性への不安を招いている。四半期決算では一部価格指標が回復基調にあるものの、構造的課題の解消にはなお時間を要するとの見方が強い。

バークシャーが抱える含み損とポートフォリオ全体への影響

ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイは、OXY株を2億6500万株保有しており、その平均取得価格は54.20ドルとされている。現在の株価水準と比較すると、含み損は約47億ドルに達する見込みであり、同社のポートフォリオの中でも最大級の評価損失となっている。バークシャーはオキシデンタル株の約28%を保有しており、その支配的な持分比率が逆に市場の圧力を直接的に吸収する構図を生んでいる。

2025年初頭には50ドルを超える株価をつけていたことから、市場は一定の成長期待を織り込んでいたが、足元ではその期待が大きく後退している。今後の決算や財務施策によっては、評価損失の圧力が持続する可能性も否定できない。

なお、バークシャーのポートフォリオ全体から見ればOXYの比重は一部にすぎないが、バフェットが過去に「強い信念を持って買い進めた」銘柄であるだけに、今回の含み損は象徴的な意味合いも持ち、投資家心理に影を落としている。市場関係者の間では、5月8日に予定されているオキシデンタルの決算発表が、ポートフォリオ見直しの重要な契機になるとの見方が浮上している。

Source:Finbold