Vivoは新型スマートフォン「V50e」を発表し、Sony IMX882とOIS、AIオーラライトポートレート2.0を組み合わせた“ポートレートスタジオ”機能を前面に押し出している。加えて、50MP Eye-AFセルフィーカメラやAMOLED・HDR10+対応の6.77インチディスプレイも搭載し、インド市場向けにウェディング特化型の写真スタイルを用意するなど、実用性と演出性を両立した仕様が際立つ。

ソニーIMX882とAIオーラライトが生み出すV50eの“ポートレートスタジオ”の実力

Vivo V50eは、Sony IMX882センサーに光学式手ぶれ補正(OIS)を組み合わせ、リング状のAIオーラライトポートレート2.0を備えたカメラ構成を採用している。この組み合わせは、低照度でも明瞭な被写体描写を可能にし、ナイトモードの実用性を高めているとされる。さらに、結婚式の演出を意識した「プロセッコ」「ネオレトロ」「パステル」といったインド市場限定のウェディングスタイル撮影モードを用意し、スマートフォン単体でプロ並みのポートレート撮影が可能になることを強調している。

50MPのEye-AF対応インカメラも注目に値し、歪み補正付きのグループセルフィーに対応する点からも、V50eがイベント用途を意識した設計であることは明らかである。ただ高性能なだけでなく、演出性までを計算に入れたVivoの姿勢がうかがえる。一方、競合のiQoo Z10xが同じSoCを搭載しながら、こうした機能を欠いている点は、V50eのターゲット層をより明確にしているとも言える。

AMOLEDと高輝度ディスプレイが生む実用性とデザイン性の共存

Vivo V50eは6.77インチのFHD+ AMOLEDディスプレイを採用し、最大輝度1,800ニト、リフレッシュレート120Hz、HDR10+対応と、表示性能においても抜かりがない。これにより、日中の屋外でも視認性が保たれ、写真確認や動画再生など日常使用での快適性が向上する。さらに、表示パネルにはSchott社のDiamond Shield Glassが採用され、IP68/IP69の防塵防水性能も確保しているため、耐久性と視覚体験の両立が図られている。

デザイン面でも、スリムなボディと5600mAhのバッテリー容量のバランスが取れており、オーロラ効果のあるサファイアブルーとパールホワイトの2色展開によって、高級感と華やかさが演出されている。ディスプレイにLCDを採用するZ10xとの違いは明白であり、見た目と実用性の両面で差をつけている印象を受ける。ただし、ストレージがUFS 2.2である点は、特に高速書き込みが求められる撮影用途において留意すべきポイントとも言える。

Android 15とアップデート保証がもたらす安心感の一方で残る課題

Vivo V50eはAndroid 15をベースとしたFuntouch OSを採用し、最大3回のメジャーアップデート提供を予定している点が大きな安心材料となっている。これは2回のアップデートにとどまるiQoo Z10xと比較しても長期的なソフトウェアサポートが期待でき、将来的な機能追加やセキュリティ強化への対応力にもつながる。ハード面と合わせて、ソフトウェア面でも所有後の満足感を重視した設計がなされていると捉えられる。

一方で、搭載されているUFS 2.2は、現行の中価格帯端末としてはやや古さを感じさせる仕様であり、動画の連続撮影や大容量アプリの書き込み速度に影響する可能性がある。現時点でAmazonにてINR 28,999(約337ドル)で注文可能という価格を考慮すれば、性能のバランスは取れているが、ストレージ規格における割り切りはユーザーによって評価が分かれるかもしれない。コストと仕様のトレードオフをどこまで受け入れられるかが、V50e選びの判断材料になる。

Source:NotebookCheck