仮想通貨アナリスト「RizeSenpai」は、XRPが現在のサイクルで最大30ドルまで上昇する可能性を指摘し、ビットコインの過去の価格推移に見られる1.618および1.902フィボナッチ拡張パターンとの類似性を強調している。TradingViewでの技術分析に基づく見解によれば、XRPは複数月にわたり史上最高値のレジスタンス水準上でのコンソリデーションを継続しており、ブレイクアウトの兆候が表れているという。

加えて、Glassnodeによる70万XRPのクジラ移動や、2倍ロングのXRPレバレッジETFの開始といったファンダメンタル面の支援材料も、強気見通しを補完している。投資家によるXRP保有の継続や、移動平均線上の堅調な価格位置も含め、XRPはビットコインやイーサリアムとは異なる独自の上昇シナリオを描いている。

XRPとビットコインの相似性に基づく30ドル到達の技術的根拠

仮想通貨アナリスト「RizeSenpai」は、XRPが今後30ドルに到達する可能性を技術的に示唆し、ビットコイン(BTC)の過去の上昇局面と顕著な類似点を根拠として提示している。特に、フィボナッチ拡張における1.618および1.902水準の価格推移を参照し、BTCが1.618水準で急騰し、1.902水準でピークを迎えた過去の動きをXRPにも当てはめている。この観点から、XRPは現在の2.17ドルから段階的に27ドルから30ドル、さらに長期的には71ドルを視野に入れうるという構図が浮かび上がる。

XRPはすでに過去の最高値レジスタンスを突破し、その上方で複数ヶ月にわたりコンソリデーションを続けているとされる。これはBTCのブレイクアウト前の構造と類似し、テクニカル分析の観点からも市場が次の急騰フェーズへ移行しつつあることを示唆する。また、1.414および1.618といった各種フィボナッチ水準がレジスタンスとして作用してきた価格帯と一致しており、これらの価格構造が現実味を持つ裏付けとも言える。

この分析は、短期的な上昇よりも中長期にわたる段階的な価格形成を意識したものであり、過去にBTCが辿った価格モデルを再現しうるか否かは今後の市場のセンチメントと出来高推移にも左右される。テクニカル的には一貫性があるものの、最終的な実現には外的要因の影響も見過ごせない。

 

XRPに対するクジラの動きとETF開始が示すファンダメンタル支援

XRPを取り巻くファンダメンタル要因も、強気の価格見通しを支える形で重なり始めている。特筆すべきは、Glassnodeが報告した70万XRPの大口移動であり、これは仮想通貨市場でしばしば機関投資家の関与を示すとされるクジラの積極的な関与を示唆している。しかもこの移動は、Teucriumによる「2倍ロングXRP日次レバレッジETF」が開始された直後に発生しており、タイミング的な一致から、ETF開始を受けた戦略的ポジショニングである可能性も否定できない。

さらに、XRPが取引所から引き出される量が増加しており、投資家が短期売却よりも保有を選択している傾向が示唆される。これにより、需給バランスが価格上昇に有利な方向へ傾いていることが読み取れる。ただし、Ripple社がエスクローから放出した2億XRPが短期的な価格変動要因となる可能性もあり、この点は価格上昇のブレーキとなり得る。

以上のように、機関投資家の動きとETF導入がXRPへの市場注目度を高める一方で、供給拡大による価格圧力も同時に存在する。この相反する要因の中で価格がどのように推移するかは、流動性や市場全体のボラティリティにも依存する複合的な状況である。

 

移動平均線と短期下落が示すXRPの足元の力強さと課題

XRPは執筆時点で2.17ドルを維持しており、過去24時間では0.21%の下落を記録しているものの、1週間の騰落率では5%を超える上昇を達成している。テクニカルな観点では、50日および200日単純移動平均(SMA)の両水準をわずかに上回って推移しており、短期的な調整にもかかわらず、全体としては長期上昇トレンドに沿った動きが見て取れる。これは、投資家の信認が中長期的に維持されている証左ともなりうる。

ただし、現在の価格帯は過去のレジスタンスゾーンに接近していることから、短期的には売り圧力が増す局面にあるとも解釈できる。また、先述のエスクロー放出によるXRP供給の増加も、ボラティリティを助長する可能性がある。これらの要素が交錯する中、現時点でのXRPのトレンドは上昇基調にあるとはいえ、過信は禁物である。

その一方で、技術的指標が価格の安定と上昇の持続を示していることは注目に値する。移動平均を明確に上回る価格帯に留まる限り、現在の価格水準は新たな支持帯として機能する可能性がある。トレンドが維持されるか否かは、今後数週間にわたる出来高と外部要因の影響を注視する必要がある。

Source:Finbold