暗号資産マネージャーAbraの創業者ビル・バーハイト氏は、世界的なマネーサプライの拡大を背景に、2025年夏の中頃までにビットコインが13万~14万ドルの水準に達する可能性を示唆した。中央銀行による流動性供給がテック株や暗号資産に波及する構図を指摘し、ビットコインの価格上昇とマネーサプライの相関性に注目している。
また、SolanaやAptosといったレイヤー1ブロックチェーンにも強気姿勢を見せる一方、ミームコインには否定的見解を示し、長期的価値の欠如を理由に慎重な対応を呼びかけた。市場では流動性指数の改善も追い風となり、強気相場への転換が意識されつつあるが、価格が85,000ドルのレジスタンスを突破できるかが短期的な焦点となっている。
ビル・バーハイト氏のビットコイン強気予測と根拠

暗号資産運用企業Abraの創業者兼CEOであるビル・バーハイト氏は、2025年夏までにビットコイン価格が13万〜14万ドルへ上昇する可能性に言及している。背景として挙げたのは、中央銀行による市場流動性の供給と、それに伴うマクロ経済の変化である。2023年末以降、世界のM2マネーサプライが加速度的に拡大しており、バーハイト氏はこの流動性増加がリスク資産の上昇を牽引すると主張した。
バーハイト氏はさらに、ビットコインとテクノロジー株との相関性を指摘。通貨供給量の拡大がリスク選好を刺激し、ビットコインをはじめとした資産価格に上昇圧力をかけると分析している。ビットコインを「テック株に対するレバレッジベット」、アルトコインを「ビットコインへのレバレッジベット」と形容し、投資家行動が流動性の波とともに一方向へ動く構図を示唆した。
ただしこの見通しには、金融政策の転換や市場センチメントの急変といった外部要因による修正リスクも孕まれる。現状の価格は84,440ドルで、上値抵抗として意識される85,000ドルの突破が近くの課題となる。価格動向が流動性とどこまで連動し続けるかは今後の観察が必要である。
アルトコインと流動性相場の構造的関係
バーハイト氏はSolana(SOL)、Sui(SUI)、Aptos(APT)といったレイヤー1チェーンに対しても強気の姿勢を示しており、これらの銘柄は高ベータ特性を持つと述べている。特に強気相場では、アルトコインはビットコイン以上のパフォーマンスを示す傾向があり、レバレッジ効果のような形で資金が流入するという観点がある。
このような資金移動は、テック株にも共通する投資家心理の連鎖を示している。低金利環境や流動性の拡大局面では、ボラティリティの高い資産が先導役を果たすことが多く、アルトコインがこの役割を担う可能性がある。ただし、変動性が高いゆえに逆方向への値動きも大きくなり、投資タイミングと保有期間がリターンに与える影響は極めて大きい。
一方、バーハイト氏はミームコインの将来性に対して否定的である。彼は、これらのコインが持続的な価値を持ち得ず、長期的にはゼロに近づくと見ており、過剰な投機を警戒している。アルトコイン投資には明確なプロトコルやユースケースの裏付けが不可欠であり、投資判断は実態価値と市場構造の双方からの検討が求められる。
Source: Finbold