トランプ大統領は14日、自身の関税政策に関し、電子機器への例外は存在せず、半導体には「特別フォーカス型」の関税が適用される可能性を明言した。米税関・国境警備局が12日に一部電子機器の免除を発表したが、これは「別の関税区分への移行に過ぎない」と強調した。
経済顧問らもテレビ出演で「免除ではなく時期の問題」と説明しており、5月以降に新たな課税措置が本格化する見通しである。トランプ氏は15日(月)に詳細を発表する予定で、半導体を巡る米中経済摩擦の新局面に注目が集まる。
中国製半導体への関税対象化を明言 Lutnick氏の発言に注目

米商務長官ハワード・ラトニック氏は、14日放送のABCニュース「This Week」において、中国製半導体に対し「特別フォーカス型の関税」を適用する方針を示した。これは単なる従来型の関税措置ではなく、重点分野に絞って精緻に設計された関税構造への移行を意味する。これにより、中国の半導体産業への圧力が一層強化され、グローバルな供給網への影響も不可避とされる。
米中間のテクノロジー覇権争いは、今や輸出管理や制裁の枠を超えて関税政策にも波及しつつある。半導体分野において中国が独自技術の確立を急ぐ中、米国は制約強化によって中国側の技術進展を抑制し、自国の競争力を守る姿勢を鮮明にした形だ。ただし、このような政策は、米国内産業への原材料コスト増や製品価格の上昇といった副次的影響も伴いかねない。今後の発表で示される具体的な関税構造と発動時期が、国際市場に与える影響を左右するであろう。
トランプ氏、電子機器関税の免除報道を一蹴 政策の不透明さが露呈
トランプ大統領は14日、自身のソーシャルメディアで、一部報道された「電子機器の関税免除」は誤解に基づくものであり、実態は単なる「関税区分の変更」に過ぎないと断じた。12日に米税関・国境警備局が発表した内容では、スマートフォンやPC、チップ類が一部免除対象とされていたが、トランプ氏はこれを否定。電子機器への関税強化は依然として進行中であり、今後1〜2か月で適用される見込みである。
しかし、免除発表とその後の大統領発言との齟齬は、関税政策の運用に対する政権内の混乱、あるいは意図的な戦略の一環である可能性を示唆する。特に経済顧問らが各メディア出演で「免除は一時的措置にすぎない」と火消しを図る様子から、国内産業界や市場への配慮が背景にあると考えられる。一方で、市場参加者にとってはこうした不確実性がリスク要因となり、グローバルなサプライチェーン再編への加速を促す要素となり得る。明日15日の政策詳細発表が、その方向性を左右する試金石となる。
Source:abcnews