Microsoftは、2025年4月の定例アップデートでWindows 10および11向けに多数のバグ修正とセキュリティ改善を提供した。KB5055523やKB5055528ではKerberosの不具合修正やCドライブ上の不可解なフォルダー生成が確認され、注目を集めている。また、Windows Insider Programでは、Copilot Visionなど次世代AI機能のテストが進み、通知領域の時計非表示機能やスタートメニューの改善といったUI調整も加わった。
さらに、2018年以来のOfficeアイコン刷新が検討されており、WordやExcelなど主要アプリに新しいビジュアルが導入される可能性がある。こうした動きは、視覚的な刷新と実用性の両面で、Microsoftが次世代環境への適応を加速していることを示している。
Windows 11の「Copilot Vision」が提示する新たな操作スタイル

Windows Insider Programでテスト中の「Copilot Vision」は、Windows 11におけるAIの統合を象徴する機能として注目されている。これは、PC画面の内容をAIが視認し、関連情報を提供したり操作を補助したりするもので、従来の検索やコマンド入力とは異なる、視覚ベースのアシストを志向する。たとえばドキュメントを開いている際に関連資料の提示や、設定画面に対する操作手順の提案などが可能になるとされている。加えて、Copilotはファイル検索機能と対話型の対応能力も強化されており、端末内の情報をベースに自然言語で指示を受ける設計が進められている。
こうした変化は、マウスやキーボード主体の操作環境に対する新たな代替アプローチを提示するものだが、すべての作業にAIが適するとは限らない。視覚的な分析や操作履歴の蓄積が前提となるため、プライバシーの観点からも議論の余地がある。AIが操作を読み取り、文脈を判断して行動するには相応の処理精度が求められるが、現段階ではその動作が必ずしも直感的とは言えず、今後の調整とユーザー体験のすり合わせが必要とされる。
Officeアプリのアイコン刷新計画とUIデザインの意図
Microsoftが実施しているOfficeアイコンに関するユーザーアンケートは、2018年以来のデザイン刷新を視野に入れた動きとして注目を集めている。Word、Excel、PowerPointといった主要アプリのビジュアルが、7年ぶりに一新される可能性があるという。現行のフラットでシンプルなデザインからさらにどのような変化が加わるかは未確定ながら、Microsoftがユーザーとの対話を通じてフィードバックを収集している点は、同社のUI/UX改善に対する取り組みを示している。
アイコンは単なる装飾ではなく、ソフトウェアの性格や世代感を象徴する存在でもある。刷新によって視覚的な新鮮さが加わると同時に、アプリ間の識別性やアクセシビリティにも影響を及ぼす可能性がある。新しいOfficeの在り方を反映したデザインが採用されるのであれば、アイコンはその象徴的な第一歩となるだろう。ただし、ユーザーによっては慣れ親しんだ旧デザインからの変更に戸惑うことも想定され、導入に際しては段階的な展開やカスタマイズの余地が求められる場面も出てくるかもしれない。
Source:Neowin