マイケル・セイラーが率いるStrategy社は、2025年第1四半期に80,785BTCを新たに取得し、総額76.9億ドルを投じたと報告された。株式売却を通じて得た資金をほぼ全額ビットコイン購入に充てたとされ、保有総量は52万8,185BTCに達し、全供給量の2.5%超を占める。

セイラーは4月中旬にXでBTCトラッカーを投稿し、新たな購入を示唆。この動きは過去にも購入直前に見られており、市場に再び注目を集めている。米中関税問題には影響を受けていないとするコメントも示され、依然として買い姿勢は崩していない。

現在の同社のビットコイン保有総額は約445.9億ドル。平均取得単価は67,458ドルとされており、評価益・損に関係なく長期的な蓄積戦略が堅持されている。

第1四半期に76.9億ドルを投じた大規模BTC購入の実態

2025年第1四半期、Strategy社は80,785BTCを新たに取得し、総額76.9億ドルを仮想通貨市場に投入した。これはビットコイン価格が軟調に推移する中で実施されたものであり、市場に逆行する買い姿勢が鮮明となった。調達資金の多くは普通株式の売却によって得られており、この手法は株主資本を直接活用した大胆な資産運用戦略といえる。取得されたBTCの平均価格は67,458ドルで、現在の保有量は52万8,185BTCに達し、世界の流通量全体の2.515%を占めている。

一方で、同社は第1四半期において未実現損失を計上し、純損失となる見通しを示している。取得額と現在の市場価格との乖離が生んだ帳簿上の評価損は大きいが、それでも購入を継続する意思を示している点は注目に値する。2025年4月6日には一時的に購入を停止したものの、日曜には再びBTCトラッカーを投稿し、再購入への準備が整っている姿勢をうかがわせた。セイラーによるこの一連の動きは、短期的な価格変動よりも中長期的視野に立ったビットコインの価値評価に基づいていると考えられる。

セイラーの「トラッカー投稿」が示す戦略的購入タイミング

マイケル・セイラーが自身のXアカウントに投稿したBTCトラッカーは、過去の購入直前にも同様の投稿が確認されており、同社の次なる購入の前触れである可能性が指摘されている。今回の投稿では「オレンジドットには関税がない」とコメントしており、これは米中間の報復関税措置の影響を受けていないことを強調するものと受け取れる。外部環境の不透明感が増す中、Strategy社の行動が揺るがないことをアピールしたとも解釈できる。

さらに、ビットコインが国際的な資産回避先として再び注目されている中、同社の戦略的な買いタイミングは市場に対して一定の影響力を持つ。これは価格操作や短期的な利益目的ではなく、むしろ長期保有を前提としたポジション構築の一環と見られる。保有量が世界全体の2.5%を超える現在、Strategy社の動きは機関投資家や個人投資家の心理にも波及効果をもたらす可能性がある。投稿の意図は定かではないが、過去の事例と照らしても、今後数日のうちに購入報告が出る可能性は否定できない。

保有BTC評価額と今後の財務リスク

Strategy社が現在保有するビットコインの総評価額は445.9億ドルに上る一方、取得原価は356.3億ドルとされており、現時点では含み益が発生している状況にある。これは同社のバランスシート上で大きな資産項目を形成しているが、ボラティリティの高いビットコイン価格に依存している点は依然としてリスク要因といえる。特に四半期末における市場価格の動向次第では、財務諸表上に再び未実現損失が計上される可能性もある。

このような高リスク資産への依存体制は、従来の企業財務の常識とは一線を画するものであり、企業経営における新たなモデルの象徴といえる。ただし、保有比率の高さは流動性確保や資金運用面での柔軟性を欠くリスクも孕んでいる。現在のように市場が不安定な局面では、保有資産が評価損に転じることで、企業価値そのものが市場で過小評価される恐れもある。Strategy社が今後も買い増しを継続する場合、そのリスク管理能力と市場とのバランス感覚が問われる局面が続くだろう。

Source:CoinDesk