Microsoftは、特定の壁紙カスタマイズアプリとの互換性問題により、一部のWindows 11搭載PCに対して24H2アップデートの提供を6か月以上も停止していた。この問題がようやく解消され、ブロック対象だった端末でも更新が可能となった。

Windows Updateやインストールアシスタント経由でのアップグレード時には、該当アプリのアンインストールや更新を促す案内が表示される仕様となっている。依然として複数の壁紙アプリが保留対象に含まれているため、アップグレード可否のタイミングはアプリ側の対応状況に依存するとみられる。

6か月間アップデートを阻んだ原因は壁紙アプリの非互換性だった

2024年後半に登場したWindows 11 バージョン24H2は、多くの端末で順調に展開されたが、一部ユーザーはアップグレードの対象外となっていた。理由は、Wallpaper EngineやLively Wallpaperなどのサードパーティ製壁紙アプリとの非互換性にあった。Microsoftはこれらアプリによる予期せぬ動作やアップデート失敗を回避するため、対象端末に「safeguard hold」という保護措置を適用していた。2025年4月、Microsoftはこの制限の一部を解除し始めたことをNeowin経由で明らかにした。

更新プログラムが再開された端末では、Windows Updateやインストールアシスタントを通じて24H2を適用できるようになったが、その際に互換性のない壁紙アプリを削除またはアップデートするよう求められるケースがあるという。すべてのアプリが即時に対応できているわけではなく、今後もアプリ開発側の対応が完了しない限り、一部デバイスでのアップデートは見送られる可能性がある。Microsoft側の措置は段階的であるため、環境によってタイミングに差が生じる点にも注意が必要だ。

カスタマイズ性と互換性のジレンマが示したアップデートの落とし穴

Windowsの魅力のひとつは、ユーザーによる柔軟なカスタマイズ性にある。特に壁紙アプリのような視覚演出系ツールは、日常的にPCを使用するうえでの体験向上に大きく貢献してきた。一方で、そうした自由度の裏側には、OS側との互換性を保つ難しさが潜んでいる。今回の24H2における保留措置は、機能面の向上よりも安定性と信頼性を優先したMicrosoftの姿勢の表れでもあるといえる。

しかし、約半年間も特定の環境でアップデートが適用できなかった事実は、利便性と安全性のバランスの取り方に課題が残ることを示唆している。カスタマイズを前提とするユーザーにとって、こうした制限は思わぬストレスとなり得る。今後も新バージョン展開時には、影響を受けやすいアプリや機能の事前告知と、OS・アプリ間の連携強化が求められそうだ。カスタマイズと更新の両立は、今後のWindows体験において避けては通れないテーマとなるだろう。

Source:XDA