Windows 11バージョン24H2で発生していた壁紙カスタマイズアプリとの互換性問題について、マイクロソフトが対応を進めている。特定のアプリをインストールしている環境では、アップデート後にデスクトップの表示が乱れたり、仮想デスクトップに不具合が生じることがあり、更新がブロックされていた。現在は「Safeguard ID 52754008」による制御のもと、該当アプリのアップデートに応じてブロックを段階的に解除している。
アプリのアップデートが互換性の確保につながるとの見解から、マイクロソフトは最新版の利用を推奨している。なお、対象アプリの種類やバージョンにより解除のタイミングは異なるとされており、環境ごとの判断が求められる。背景には、先日発生したSenseshieldとの非互換も含め、広範なアプリとの整合性確保という課題がある。
壁紙アプリによる24H2のブロックは段階的に解除中、Safeguard ID「52754008」が鍵を握る

Windows 11バージョン24H2で一部の壁紙カスタマイズアプリが正常に動作せず、アップデートがブロックされる問題が発生していたが、マイクロソフトはこの制限を段階的に解除し始めている。リリースヘルスノートによれば、問題の原因はデスクトップ表示の異常や仮想デスクトップの不具合、アプリ起動時のエラーとされ、該当する環境には「Safeguard ID 52754008」が適用されていた。これはWindows Updateの一部として動作し、既知の不具合がある構成へのアップデート配信を制限する仕組みである。
現在、このブロックはアプリのアップデート状況に応じて順次解除されており、該当ソフトウェアの新バージョンが互換性を確保すればアップデートの実行が可能になる。インストール時に「Wallpaper」アプリの削除を求めるメッセージが表示されるケースも確認されており、環境によって対応方法は異なる。対象アプリが複数に渡ることから、解除のタイミングはユーザー側で利用しているアプリの更新状況に大きく依存する。マイクロソフトは、互換性の確保に向けてアプリ開発元と連携していると見られ、今後の調整が引き続き求められる。
互換性問題の根本にはカスタマイズ需要の増加とOS側の対応不足が潜む
壁紙アプリによる不具合は、単なるソフトウェアの相性問題に留まらず、ユーザーのカスタマイズ需要とWindows OSの更新設計のギャップを浮き彫りにしている。デスクトップ環境を自分好みに整えるニーズは、古くから一部層で根強く、RainmeterやWallpaper Engineといったツールが人気を博してきた背景がある。一方で、Windows 11ではセキュリティや安定性を重視した設計が進む中、外部アプリとの細かい動作確認が後回しにされている傾向が見受けられる。
今回のSafeguard IDによるブロックも、OSの整合性を保つ目的ではあるが、逆に言えばマイクロソフトがこうしたアプリの存在と重要性を認識していたことの裏返しでもある。バージョン24H2の配信にあたってブロッカーを設けるほどの影響があるという事実は、カスタマイズ系アプリが一部のニッチを超えて広く使われている証左といえるだろう。マイクロソフト側がアプリ開発者との協力体制を強化し、事前の互換性検証プロセスを改善しない限り、今後も類似の問題が繰り返される可能性は否定できない。OSの進化とユーザーの自由度の両立には、より緻密な調整が求められる。
Source:heise online