Nvidiaの次期ミドルレンジGPU「GeForce RTX 5060 Ti 16GB」の3DMarkベンチマークスコアが流出し、先代のRTX 4060 Ti 16GB比で平均20%の性能向上が確認された。Speed WayやPort Royalといった最新テストにおいて、1440pおよび4K解像度での改善が特に顕著であり、価格が据え置かれるとの予測と合わせ、コストパフォーマンスに優れたGPUとして注目が高まっている。
ベンチマークは非公式であり構成の詳細は不明だが、販売価格は8GB版で379ドル、16GB版で429ドルと報じられており、RTX 4060 Tiより安価で性能も高い可能性がある。DLSS 4やMulti Frame Generationの導入による描画性能の飛躍も想定され、発売が見込まれる4月16日を前に、自作PC市場に新たな選択肢を提示する動きと見られる。
RTX 5060 Tiのベンチマーク結果が示す実性能の進化

Nvidiaの新型GPU「GeForce RTX 5060 Ti 16GB」は、複数の3DMarkベンチマークにおいて先代モデルを大きく上回る性能を記録している。Speed Way(1440p)では4060 Tiの3,239に対し4,055をマークし、Port Royalでも8,112に対して9,944と明確な向上が確認された。
さらにTime Spy(1440p)では15,389と、13,469にとどまる前世代を凌駕している。これらの数値は、単なる小幅な進化ではなく、1440p環境での使用を想定した場合における快適性向上を意味する結果といえる。
一方でFire StrikeやそのExtreme版では、4060 Tiが依然として高スコアを記録しているテストもあり、すべての条件下で新型が上位とは限らない。しかし、DLSS 4やMulti Frame Generationといった技術の進展も加味すれば、最新のゲーム環境で5060 Tiが描画性能を最大限に引き出すことは十分に見込まれる。総じて、4060 Tiからの買い替えを検討するユーザーにとって、実ベンチマークが一定の説得力を持つ内容となっている点は見逃せない。
価格設定とコストパフォーマンスが示唆する市場戦略
RTX 5060 Ti 16GBの価格は429ドルからと報じられており、同容量のRTX 4060 Ti(499ドル)よりも大幅に低価格に設定されている。さらに、8GBモデルは379ドルからと見られており、これが事実であれば性能向上と同時にコスト削減も実現していることになる。
この価格設計は、予算重視層のゲーマーやPCビルダーに対して極めて魅力的な提案となり得る。特に、前世代の価格を踏襲しつつも性能を押し上げた点は、Nvidiaの中価格帯戦略がより一層洗練されたことを示唆している。
ただし、これらの価格は小売店の実勢価格ではなく、あくまで想定MSRPに過ぎない点に注意が必要である。供給状況や地域ごとの販売戦略次第では、価格の実効性が左右される可能性もある。また、上位モデルであるRTX 5070が549ドルで33%の性能差を示しているとの分析もあり、その価格差に見合った体感性能が得られるか否かは、ユーザーの用途や期待により評価が分かれるだろう。とはいえ、RTX 5060 Tiが価格帯に対する性能の均衡点を見出している可能性は否定できず、ミドルクラスGPU市場の競争に新たな緊張感をもたらしている。
Source:Tom’s Guide