2025年4月現在、ビットコインは約85,000ドルで取引されており、年初来高値から下落した状態が続くなか、ブラックロックのラリー・フィンクCEOは依然として長期的な強気姿勢を崩していない。彼は、米国の債務拡大が継続すれば、米ドルの信認が揺らぎ、代替通貨としてビットコインの国際的地位が高まる可能性を指摘する。米国ではトランプ政権の下でビットコインの戦略的備蓄が進む一方、ロシアや中国も国際取引への活用を模索しており、こうした地政学的・金融政策的な背景がビットコインの需要を押し上げる要因となる。

価格については、世界の準備通貨としての役割を担うことで、政府や金融機関による保有圧力が高まり、流動性とともに価格水準が過去最高を更新するとの観測も出ている。カルダノ創設者ホスキンソン氏も、年末までに25万ドル到達の可能性を示唆しており、一部の専門家は歴史的転換点の到来を意識している。

ブラックロックCEOが語るビットコインの将来性と基軸通貨化の論拠

ブラックロックのラリー・フィンクCEOは、ビットコインに対して依然として強気の姿勢を貫いている。同氏は、自らの年次投資家書簡で、米国の国家債務がGDP比で異常な速度で膨張し続けている現状に警鐘を鳴らし、ドルの信認低下が進めば、ビットコインがその代替手段として台頭する可能性に言及した。

実際、今年だけで利払いが1兆ドルに達するとの予測があり、財政規律の欠如がもたらす信用の揺らぎは看過できない。こうした背景から、フィンク氏はビットコインが将来的に国際的な取引単位としての役割を担う可能性を論じた。

特に注目すべきは、トランプ政権下におけるビットコイン戦略準備金の存在であり、米国政府が政策的に暗号資産との距離を縮めつつあるという事実である。さらに、ロシアや中国といった国々もビットコインの国際貿易利用を模索しており、国家間の金融システムに対する再定義が静かに進行している。このような動向は、ビットコインの単なる資産クラスからの脱却を示唆しており、制度的関与が一層強まる可能性を含んでいる。ただし、これらの見通しが実現するか否かは、米国の金融政策や地政学的環境の変動に大きく依存すると言える。

暗号通貨価格に対する地政学リスクと需給構造の変化

ビットコインは現在、1月の高値109,000ドルから約85,000ドルへと下落した水準にある。背景にはトランプ政権による貿易関税政策と、それに伴う経済不透明感があるとされ、短期的には価格の不安定さが続いている。一方で、ラリー・フィンク氏は長期視点において、暗号資産の構造的需要拡大に注目している。

もしビットコインが世界の基軸通貨としての信認を獲得する事態となれば、中央銀行、政府、民間金融機関の保有拡大によって流動性は大幅に向上し、価格上昇圧力が急激に強まる構図が想定される。

カルダノ創設者のチャールズ・ホスキンソン氏も、2025年末までにビットコインが25万ドルに達する可能性に言及しており、こうした見解は市場に一定の影響を与え続けている。ただし、その予測は前提条件に左右されるものであり、価格動向を鵜呑みにすることには慎重な姿勢が求められる。

暗号通貨市場は依然として高いボラティリティを有し、規制やマクロ経済環境の影響を強く受けるため、中長期の安定した上昇には複数の外的要因が整う必要がある。価格が爆発的に上昇する構図は理論上成立するが、現実に実現するまでには多くの条件を要する。

Source:Barchart