Samsungは、Android 15をベースとしたOne UI 7の配信を一時停止したことをAndroid Authorityへの声明で正式に認めた。ただし、その理由については「最良の体験を提供するためにスケジュールを更新している」とするのみで、詳細は明かされていない。
Galaxy S24シリーズを含む一部モデルで配信が始まった矢先の停止であり、従来の年内配信という通例にも反している点が関心を集めている。技術的な不具合、特にバグの存在が背景にある可能性が指摘されているものの、Samsungは沈黙を貫いており、今後のスケジュール再発表が待たれる状況だ。
Galaxy S24シリーズで始まった配信が突如停止 Samsungの声明と不明瞭な理由

Samsungは2024年10月にリリースされたAndroid 15をベースとするOne UI 7の展開を一部機種で開始していたが、Galaxy S24シリーズなどの最新フラッグシップに配信された直後、週末に突如その配信が停止された。この事実は複数の信頼性あるリーカーによって明らかにされ、後にSamsungがAndroid Authorityに対して正式に停止を認める声明を出した。声明によれば「最良の体験を提供するためにスケジュールを更新している」とされており、具体的な停止理由は開示されていない。
これにより、Android 15への期待を抱いていたユーザーの間では、配信が一時的なものか、重大な問題が背景にあるのかについて不安が広がっている。例年であれば、フラッグシップモデルは年内に最新のAndroidバージョンを受け取る流れとなっており、今回の遅延と停止はその慣例からも外れている。特に日本を含む一部の市場では、配信開始すら確認されておらず、地域ごとの展開状況にも影響が出ている可能性がある。
ソフトウェア不具合の可能性と、Samsungが沈黙を保つ背景
Samsungの声明はスケジュールの見直しに言及するのみで、技術的な問題やソフトウェアの不具合といった要因に関しては一切触れていない。ただし、状況から推察すると、展開停止の背景にはバグの存在があると考える声が強い。バグの詳細については明らかにされていないが、OSアップデートに伴う動作不良や互換性問題が発生している可能性は否定できない。Samsungはこのような場合、内部検証や修正のために配信を見合わせる措置を取ることがこれまでもあった。
一方で、Samsungが詳細な技術的説明を避けていることも注目に値する。これはブランドイメージの保護や混乱の回避といった判断による可能性もあるが、結果的に利用者の信頼を揺るがす要因にもなり得る。バグの有無を明示しないことで、軽微な修正にとどまるのか、根本的な不具合なのかが不透明なままとなり、待機している端末所有者は判断材料を欠いた状態でアップデートの再開を待たされることになる。
One UI 7の今後の展開スケジュールと待機ユーザーへの影響
Samsungの広報担当者は、One UI 7の「新しいタイミングと提供状況は近日中に共有される予定」と述べているが、その具体的な時期や範囲についての言及はない。これにより、既に一部機種でアップデートを受け取ったユーザーとの間で、体験格差が生まれる形となっている。とくにAndroid 15の新機能やパフォーマンス向上を期待していた層にとって、今回の停止は大きな落胆をもたらしている。
加えて、旧モデルや中価格帯のGalaxyシリーズを使用しているユーザーにとっては、今回の件が配信対象の見直しやさらなる遅延に繋がるのではという懸念もある。Samsungは例年、段階的にOne UIの展開を進めており、上位機種から始まる配信が全体スケジュールの指標となっていた。それだけに、今回のフラッグシップ向け配信停止は広範な影響を及ぼす可能性を含んでいる。今後の発表内容によっては、配信時期への期待が大きく変化することも考えられる。
Source:Android Authority