SamsungがGalaxy S24シリーズに向けて展開を開始したばかりのOne UI 7アップデートが、端末のロックを解除できなくなる重大な不具合により、世界中で一時的に配信停止となった。バグは韓国で最初に報告され、標準モデルからUltraまで全モデルに影響。著名リーカーIceUniverseによると、当初は地域限定と見られていたが、その後の被害拡大を受け、米国や欧州、中国でも展開が中止されたという。

今回のアップデートはAndroid 15ベースで、AI機能やUI刷新といった注目の改良が予定されていたが、配信の見通しは現在不透明な状況にある。Samsungは未だ正式な声明を出しておらず、原因はOSとの互換性問題と見られている。

ロック解除不能バグが全S24モデルに拡大 配信は韓国からグローバル中止へ

問題が最初に確認されたのは韓国市場で、One UI 7を適用したGalaxy S24シリーズでロック画面が解除できないという報告が多数寄せられた。影響を受けたのはS24、S24+、S24 Ultraの全3モデルで、端末を完全に操作不能に陥らせるケースも確認されている。このバグは使用者の端末を一時的な“文鎮化”状態に追い込み、通常の再起動やパスワード入力すら受け付けない深刻な状態とされる。

当初は地域限定のトラブルと見なされていたが、著名リーカーIceUniverseの報告によって中国やアメリカを含む他国への展開も中止されたことが明らかとなった。韓国に続いて米国では4月10日に配信が始まったばかりであり、これはアップデート開始からわずか数日での全面停止を意味する。Samsungからの公式声明は出されていないが、同社は現在、OS互換性などの技術的要因を含めて調査を進めているとされている。

注目のAI機能や新UIも足止め 状況次第でZ Fold 6やFlip 6にも影響か

One UI 7はAndroid 15をベースとし、AIによるアシスト機能やレスポンス向上、刷新されたインターフェースなどが目玉となっていた。特に、今後登場予定のGalaxy Z Fold 6およびZ Flip 6においては、この新UIが最初のソフトウェアとして適用される可能性が示唆されていた。しかし、今回の不具合によりこれらのモデルのアップデートスケジュールにも遅れが出ることが懸念されている。

リリース直後の最新ファームウェアで発生したバグであることから、同じコードベースを共有する折りたたみシリーズへの影響も無視できない。さらに、配信地域の拡大とともに不具合が表面化した点から、地域別のファームウェアチューニングの難しさも浮き彫りとなった。今後のアップデート再開には、安定性検証の徹底が求められるが、そのタイミングについては現時点で確たる見通しは立っていない。

技術的信頼への打撃と今後の対応への注目

Samsungにとって、今回のようなグローバル規模の配信停止はブランドへの信頼を損なうリスクを伴う。特にGalaxy S24シリーズはフラッグシップとして高性能と完成度をアピールしてきた中で、OSレベルでの深刻なバグが露見したことは、機能面だけでなく品質管理体制にも疑問を残す結果となった。

ただし、迅速な配信停止判断は被害の拡大を抑える意味では一定の評価を得ている。過去にも大型アップデートに伴う不具合は各社で発生してきたが、今回の事例は使用不能に直結する点でより重大である。Samsungが今後どのように対応し、どのような修正アップデートを提供していくのかが、信頼回復の鍵となる。ユーザー側としては、修正が完了するまでは手動アップデートや非公式な導入を避けるなど、慎重な行動が求められる場面である。

Source:Mashable India