AMDは、最新の第5世代EPYCサーバー向けプロセッサ「EPYC 9005」シリーズが、Google Cloudの新たなAIおよびHPCクラスタに正式採用されたことを明らかにした。これにより、Googleの新VMインスタンス「C4D」と「H4D」において、従来比最大80%の性能向上を達成している。

Zen 5アーキテクチャを採用した本シリーズは、クラウド環境におけるスループットとスケーラビリティの向上に貢献し、数万コア規模のHPC処理にも対応可能である。Googleは導入モデルを明示していないものの、最大192コアや5GHz超の動作周波数を実現したフラッグシップが含まれる可能性がある。

クラウドサーバー分野で長年優位を築いてきたIntel Xeonとの競争において、AMD EPYCの存在感は年々増しており、本件はその勢力図に変化をもたらす一例となる可能性がある。

AMD第5世代EPYCプロセッサのクラウド採用の進展

AMDの最新第5世代EPYCプロセッサが、Google CloudのAIおよびHPC(高性能コンピューティング)ワークロードに採用されたことは、同社のサーバーCPU分野での重要な進展を示している。

この採用により、特にAI推論やデータ分析、高度なコンピューティング処理において、性能向上が期待される。具体的には、Google Cloudの新しい仮想マシン「C4D」と「H4D」に搭載されるAMDの「EPYC 9005」シリーズは、最大80%の性能向上を実現しているとされ、前世代と比較して圧倒的な改善が見られる。

「Zen 5」アーキテクチャを採用したこのプロセッサは、C4DインスタンスにおいてAI推論や一般的なコンピューティングワークロードにおいて、優れた効率性と一貫性を発揮しており、Google Cloudが提供する多様なサービスに対して、より高いスループットを提供する。

特に、HPCワークロード向けのH4Dインスタンスでは、AMD EPYC CPUとCloud RDMA(リモート・ダイレクト・メモリ・アクセス)を活用することにより、数万コア規模での効率的なスケーリングが可能となり、Google Cloudの競争力をさらに強化することが期待されている。

AMDのプロセッサの採用は、GoogleのAIインフラにおいて重要な役割を果たすだけでなく、同社のクラウドサービスのスケーラビリティと効率性を向上させる。これにより、AMDはサーバー市場での地位をさらに確立し、Intelとの競争を加速させることとなる。

AMDのサーバーCPU市場における優位性の確立

AMDの第5世代EPYC「Turin」シリーズがGoogle Cloudに採用された背景には、同社のサーバー向けプロセッサがIntelのXeonシリーズに対抗する強力な競争力を備えていることがある。

これまで、サーバー分野では長年にわたってIntelが圧倒的なシェアを誇っていたが、AMDは近年、その技術革新により、急速に市場シェアを拡大してきた。特に、AMDのEPYCシリーズは、より高いコア数、動作周波数、そして性能とエネルギー効率のバランスにおいて、業界で高い評価を受けている。

この進展は、AMDが提供する「Zen 5」アーキテクチャに基づく第5世代EPYCプロセッサが、高性能計算(HPC)やAI推論など、最先端のクラウドワークロードにおいて顕著な成果を上げていることからも明らかである。

特に、Google Cloudでの採用においては、最大80%のスループット向上が実現されており、これは同プロセッサの競争力を裏付ける数字と言える。これにより、AMDはIntelの優位性を縮め、同社のプロセッサを採用する企業が増加する可能性が高い。

AMDの今後の展開としては、AIやHPC市場へのさらなる進出が予測され、これが同社の成長を加速させる一因となるだろう。特に、Googleをはじめとする大手クラウド事業者における採用が、AMDのサーバーCPU市場における競争優位性を強化する要素となる。

AIおよびHPC市場におけるAMDの進化と競争の激化

AIとHPC市場は、近年急速に成長しており、これらの領域でのパフォーマンス向上が企業の競争力を左右する重要な要素となっている。

AMDの第5世代EPYCプロセッサは、この分野において非常に高い性能を発揮し、特にGoogle Cloudなどの大規模なクラウド環境での導入が進んでいる。AMDは、これまでの製品ラインで高性能とエネルギー効率のバランスを実現してきたが、「Zen 5」アーキテクチャの登場により、さらに進化を遂げた。

「Zen 5」アーキテクチャは、AI推論やデータ分析、そして高性能コンピューティングにおいて、高いスループットを提供する能力を持つ。この能力は、Google CloudのC4DやH4Dインスタンスで実証されており、最大80%の性能向上が確認されている。特に、数万コア規模での効率的なスケーリングを可能にするCloud RDMAの活用により、より多くの計算リソースを効率的に活用できる。

しかし、AIおよびHPC市場の競争は非常に激化しており、AMDがIntelに対抗するためには、さらなる技術革新と積極的な市場展開が求められる。Google Cloudにおける成功を足掛かりに、AMDは今後、さらなる市場シェアを獲得することが期待されるが、競争相手であるIntelの反撃も予想され、これからの戦いが注目される。

Source:Wccftech