OnePlusは、次期折りたたみスマートフォン「OnePlus Open 2」の2025年発売を見送る決定を正式に明かし、市場全体の成熟を見極めるため一時的に開発を中断するとした。同社のプロダクトマーケティング責任者Rudolf Xu氏は、現行の折りたたみ市場が経済的に成立しにくく、端末の薄型化・軽量化や折り目の改良といった技術的課題が依然として解決されていないことを指摘。
年ごとの成長率も約2.9%と限定的であり、収益性の観点からも新機種投入のタイミングを慎重に見極めている。ValveのSteam Deck戦略にも通じる慎重姿勢は、単なる進化ではなく“真の革新”を見据えた選択とも取れる。
OnePlusが見送った理由 「市場の未成熟」と技術的限界

OnePlusが「OnePlus Open 2」の2025年発売を見送る背景には、折りたたみスマートフォン市場の成長ペースが予想を下回っているという現実がある。Android Headlinesによれば、同社のシニアプロダクトマーケティングマネージャーであるRudolf Xu氏は、業界全体が「薄型化」「軽量化」「折り目の改善」という共通の課題に直面しており、それらを克服せずに単なるマイナーチェンジを重ねることに意味を見出していないと説明した。初代「OnePlus Open」が高評価を得ていたにもかかわらず、後継機の投入を見送ったという判断は、その場しのぎではなく、製品の進化を本質的に捉え直す姿勢の現れである。
Xu氏は、折りたたみ市場の年間成長率が約2.9%にとどまっており、Samsungのように毎年新モデルを投入するには需要が不足していると分析している。このカテゴリが真に主流化し、利益を生む可能性が高まらない限り、無理な製品投入は避けるという判断は合理的といえる。ただし、こうした戦略はあくまで“撤退”ではなく、“再構築”のための準備期間という意味合いが強い。現時点では慎重な姿勢が前面に出ているが、将来的に革新的な機構や新技術が業界標準となれば、OnePlusが再び折りたたみ分野に復帰する可能性は十分に残されている。
スチームデッキと同じ思想 OnePlusが目指すのは“革新”
OnePlusの今回の判断は、Valveの「Steam Deck 2」に対するスタンスと非常に近いものがある。Valveは単なる性能アップのために新モデルを出すことに否定的な姿勢を示しており、OnePlusもまた“次を出すための次”という考えに価値を置いていない。Android Headlinesでは、OnePlusが今求めているのは「革新」であり、単なる更新ではないと明記されている。これは、毎年型番を変えるだけのアップデートに意味を感じない層にとって、共感を呼ぶ考え方だ。
加えて、同社は折りたたみスマートフォンを「利益の出るカテゴリ」として確立させる必要性を強調している。価格が高く、修理コストもかさむこのジャンルでは、一定以上の普及とリピーターが見込めなければ持続的な展開が難しいのは明白だ。そうした背景から、2025年という節目の年にあえて「出さない選択」を取った点は、むしろ戦略的に成熟した決断とも捉えられる。現在の折りたたみ市場に真の転機が訪れるまで、OnePlusは静観の姿勢を崩さず、次に進むタイミングを見極めている。中途半端なモデルを乱発するよりも、本当に意味のある製品を出す方がブランド価値を高めると考えるなら、この姿勢は理にかなっている。
Source:Android Headlines