Vivoはフラッグシップ機「X200 Ultra」の正式発表を前に、カメラ構成の詳細を明かした。メインと超広角の両方にSony製LYT-818センサーを採用し、50MP出力と光学手ブレ補正を実現。加えて、85mm望遠カメラには前世代比で38%多くの光を取り込む改良型OISを搭載する見込みで、Zeiss監修の8.7倍ズームレンズを装着可能なアクセサリも用意されている。
加速度的に高まる撮影機能の競争の中で、X200 UltraはiPhone 16 Pro MaxやGalaxy S25 Ultraといったハイエンド機と真っ向から競合することになる。スペックだけでなく、独自の画像処理チップやズーム対応LEDフラッシュといった細部のこだわりも、撮影環境の進化に期待を抱かせる。
LYT-818センサー2基搭載で撮影体験を根本から刷新

Vivo X200 Ultraでは、Sony製のLYT-818イメージセンサーがメインカメラと超広角カメラの両方に採用されている。このセンサーは1/1.28インチの光学フォーマットと1.22μmの画素ピッチを備え、50MPのネイティブ出力や最大86dBのHDRダイナミックレンジにも対応している。35mm相当の標準画角と14mm相当の超広角をカバーし、いずれも光学式手ブレ補正(OIS)を搭載する点が注目ポイントである。さらに、センサーを揃えることで画質の一貫性や色再現性の統一が図られ、異なる画角でのシームレスな切り替えが可能となる。
スマートフォンカメラにおいて、メインと超広角の画質差は撮影体験の一貫性を損ねる要因となることが多い。X200 UltraがLYT-818を両カメラに導入した背景には、日常の撮影においてもシームレスなズーム操作や動画撮影時の視点移動における違和感を極力排除する狙いがあると考えられる。見た目のスペック以上に、撮影時の没入感や使い勝手に影響する判断であり、同セグメント製品との差別化として効果を発揮する可能性がある。
新望遠ユニットの光量向上とOIS強化がもたらす遠距離撮影の進化
X200 Ultraの望遠カメラには、85mm相当のレンズと光学式手ブレ補正を備えた新設計のユニットが搭載される。この望遠カメラは、前世代のX100 Ultraと比較して38%多くの光を取り込めるよう改良されており、暗所や遠景の撮影においてより鮮明な描写を実現することが期待されている。さらに、搭載されるISOCELL HP9センサーは、X200 ProやXiaomi 15 Ultraにも採用されている実績のある高性能パーツである。
この望遠システムにおける最も大きな意義は、光量不足による描写の粗さや手ブレによる失敗カットを大幅に減らせる点にある。Vivoは従来、ナイトモードやAI補正で対応してきた部分をハードウェア側の改善によって根本的に解決しようとしており、それは「ズーム撮影=画質劣化」という固定観念の打破につながる可能性がある。また、これによりソーシャルメディアや日常の記録において、ズームを積極的に活用する動きも強まっていくかもしれない。
競合と差をつける画像処理チップと専用アクセサリの存在
Vivo X200 Ultraは、カメラモジュールのスペックだけでなく、撮影体験を底上げする周辺要素も充実している。中でも注目されるのが、画像処理チップを2基搭載している点と、Zeiss監修の8.7倍ズームレンズを含む「Photography Kit」への対応である。また、ズームに連動するLEDフラッシュアレイを備えるなど、細部にわたってユーザーの撮影環境を意識した工夫が施されている。
iPhone 16 Pro MaxやGalaxy S25 Ultraなどのライバルが高価格帯の中で完成度を追求する一方、Vivoはアクセサリや独自処理チップといった“選択肢の拡張”によって撮影機能の幅を広げている点が特徴的だ。特にZeiss製レンズのアドオンは、ハードなズーム撮影や特定シーンでの描写力を求める層に対して大きな訴求力を持ち得る。また、処理チップの二重構成は、リアルタイムHDRや連写時の処理性能向上といった応用の可能性を感じさせる構成であり、純粋なセンサー性能だけでは語れない魅力が確かに存在する。
Source:Notebookcheck