Vivoは次期フラッグシップ「X200 Ultra」のカメラ仕様を正式に公開し、これまでにない大胆な構成が明らかになった。メインカメラには35mmの焦点距離とSony製LYT-818センサーを採用し、Zeissと共同開発したT*レンズで0.1%未満の反射率を実現。望遠は200MPのSamsung HP9センサーを搭載し、初のAPOグレード仕様とされる。

さらにVivo独自のAI ISP「VS1」は演算性能80TOPSでHDRやポートレート処理を担い、4Kポートレート動画撮影も全焦点距離で対応。シーン認識は8000万件の画像学習で最適化されており、Vivo幹部が「電話機能付きのポケットカメラ」と称するのも納得の仕上がりである。

Zeissと連携した35mmメインカメラと超広角で新たな描写力を追求

Vivo X200 Ultraのメインカメラは、35mmの焦点距離に1/1.28インチのSony製LYT-818センサーを採用し、ZeissのT*コーティングを施した新開発レンズと組み合わされている。反射率はわずか0.1%未満で、CIPA 5.0相当の手ブレ補正と第3世代のVCSバイオニックスペクトル技術も相まって、従来機種と比べ格段に透明感とリアリティのある描写を可能にする設計である。加えて、同じセンサーを使った14mmの超広角カメラには、Zeissと共同開発した「ホークアイ」レンズを採用。光の取り込み量は前世代比で181%増、シャッタースピードも216%向上しており、速写性能と明るさの両立を果たしている。こうした物理スペックの刷新は、スマートフォンの撮影体験に対するユーザーの認識を根本から変える可能性を秘めている。

Vivoがこのような構成を採った背景には、汎用的な50mmではなく35mmという焦点距離に特化することで、スマホのカメラとしてだけでなく“記録”から“表現”へのシフトを意識している姿勢が垣間見える。画角と光学性能を緻密に設計することで、日常の中で作品的な一枚を撮りたいというニーズに踏み込んだ印象である。

200MPの望遠カメラとAI ISP「VS1」で動画も写真もプロ仕様へ

85mmの焦点距離を持つ望遠カメラには、200MPのSamsung製HP9センサーを採用。構成された6枚レンズとCIPA 5.0準拠のOISによって、前モデル比で38%の光量向上、41%の手ブレ安定性向上を実現している。さらにこの望遠カメラは、スマホとしては初のAPOグレードを謳う光学設計で、色収差の抑制と高精度な望遠描写を目指した構成となっている。全焦点距離での4Kポートレート動画撮影にも対応し、リアルタイムでのHDR処理やゼロシャッターディレイも実現している点は映像撮影を主眼とする層にとって大きな魅力となる。

これらの高度な処理を支えているのが、Vivoが自社開発した初の画像処理プロセッサ「VS1」チップである。演算能力は80 TOPSに達し、電力効率も16 TOPS/Wという業界屈指のレベルを誇る。リアルタイムの被写体認識やAIボケ処理、複雑なマルチフレーム合成にも対応しており、単なる高画素化とは異なる映像体験を提供する基盤となっている。ハードとソフトの一体最適化が進んだこの構成は、従来のスマートフォンとは一線を画す映像機としての価値を高めるものといえる。

Source:Gizmochina