Motorolaの次期折りたたみモデル「Razr 60 Ultra」がGeekbenchのベンチマークに登場し、最新フラッグシップ向けチップSnapdragon 8 Eliteの搭載が判明した。ベンチマークスコアはシングルコア2,878、マルチコア8,840と、前モデルに大差をつける性能を記録。GPUにはレイトレーシング対応のAdreno 830を採用し、最大16GB RAMやAndroid 15の搭載も確認された。Snapdragon 8s Gen 3を採用していた前世代機と比較して、処理能力の大幅な向上が見込まれる点が注目だ。

加えて、4,540mAhのバッテリーと67W急速充電対応、6.96インチの内側ディスプレイと4インチの外部画面、デュアル50MPの背面カメラ構成などの仕様もこれまでのリークと一致。フラッグシップモデルとしての位置付けがより明確になってきたが、デザイン面では従来と大きな変化はなさそうだ。

Snapdragon 8 Eliteと16GB RAMで性能は前世代から大幅進化

Motorola Razr 60 UltraがGeekbenchで記録したスコアは、シングルコア2,878、マルチコア8,840という高水準に達しており、これにより搭載されているSnapdragon 8 Eliteの性能が裏付けられた。これは前世代のRazr 50 Ultraが採用していたSnapdragon 8s Gen 3のスコア(シングルコア1,960/マルチコア4,917)と比較しても大きな差がある。さらに、Snapdragon 8 EliteはQualcommの新しいOryonカスタムコアを内蔵しており、Snapdragon 8s Gen 4さえ搭載していない要素を備える。これにより、CPU処理だけでなく、グラフィック面でもAdreno 830のレイトレーシング対応による描画性能が大幅に向上すると考えられる。

また、16GB RAMとAndroid 15のプリインストールも確認されており、同時多タスクや高負荷アプリの利用を想定した設計がうかがえる。これまでのリークでは12GBモデルの存在も示されていたが、今回のベンチマークからは最上位モデルの仕様とされる構成が明らかになった。ただし、ベンチマーク上の数値がそのまま実際の使用感につながるとは限らない。高性能チップと大容量メモリの組み合わせは確かに魅力的ではあるが、発熱やバッテリー消費といったバランス面にも注視する必要があるだろう。

折りたたみデザインとカメラ構成に変化は少なく保守的な路線か

Razr 60 Ultraの外観とディスプレイ構成は、前世代の設計をほぼ踏襲すると見られている。内側には6.96インチの折りたたみディスプレイ、外側には4インチのサブディスプレイを引き続き採用する見通しで、視認性や操作性における大きな刷新は報じられていない。また、カメラ構成についても、背面に50MPのデュアルレンズ、前面に50MPのセルフィーカメラが搭載される可能性が高く、スペック上は継続路線が選ばれているようだ。新型の立ち位置は、デザインやカメラではなく、チップ性能を中核に据えたモデルであることが読み取れる。

一方で、折りたたみ機構の堅牢性や耐久性がどの程度改善されているかについての情報はまだ明らかにされていない。耐久性が製品選びの重要な判断軸となる中で、この点の変化が見られない場合は競合モデルと比べて訴求力に限界が生じる可能性もある。とはいえ、従来のデザインを踏襲することは、既存ユーザーにとっての安心材料となる側面もあるため、一定の支持を集める要因にもなり得る。ハードウェア進化とデザインの安定性、そのバランスをどう受け取るかが今後の評価を左右しそうだ。

Source:Android Headlines